糖尿病の合併症予防を検証
13カ国6千人で疫学研究

 糖尿病に合併して起きやすいとされる脳梗塞(こうそく)や心筋梗塞を防ぐには、どのように血糖値をコントロールすればよいのかなどを探るため、製薬会社 サノフィ・アベンティス(東京)はインスリン治療中の世界13カ国、6000人の患者を対象に疫学研究を始めた。4年間行い、日本からは60施設、600人が参加する予定。世界的に急増する糖尿病の診療や、合併症の予防に役立てる狙いだ。

 

2025年には3億5千万人に
 糖尿病では、インスリンの分泌が少なかったり効きが悪かったりすることに、肥満や運動不足、ストレスなどが加わって発症する2型が急増している。糖尿病が強く疑われる人は、国内で推計740
万人。世界では2億人を超え、2025年には3億5千万人に増えるとの予測もある。  合併症としては、手足のしびれや筋力低下などの神経障害と、腎症、網膜症の3つがよく知られているが、心筋梗塞になった人の3分の1に糖尿病が認められ、脳梗塞では半数に上る。また、糖尿病患者は、心筋梗塞や脳梗塞などの「心血管系」合併症を発症する危険性が2―3倍ともいわれ、注意が欠かせない。  今回の疫学研究で日本側の代表世話人を務める河盛隆造順天堂大教授は「心血管系の合併症の発生と血糖コントロールとの関連性については、医学的な証拠が国内外とも不足している。インスリンを用いた治療や管理の状況を観察することで、コントロールの指標を示し、診療指針の再評価にも生かせます」と強調する。

2兆円を超える医療費
 

 対象者は41歳以上の2型糖尿病で、インスリンの使用期間が1カ月以上6カ月未満の患者。どの程度の血糖値だと発生率や死亡率が高くなるか、どのようにコントロールすれば発生を抑制、予防できるのか、などを明らかにする。年齢や性別、人種による違いも分析し、それぞれに適した治療法も提示する考え。
 国内では、推定で150万人以上がインスリンを使っているという。糖尿病に関連した死亡は世界で年間3百万人を超え、国内では糖尿病による死亡は1万数千人。
 河盛教授は「合併症にかかる費用を考慮すると、少なくとも2兆円を超えると推測される糖尿病の医療費抑制にも役立つだろう」と話す。


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