『不眠症-3』

 早く床に、は誤り 
内山真・精神保健研究所部長

 
  

 ―不眠症の治療はどのようにするのでしょう。

 「うつ病や体の痛みなど、不眠を起こし得る病気の有無を調べ、あるならそれを解決します。それが無いなら生活指導や認知行動療法、睡眠薬による治療を行います」

 ―認知行動療法とは。

 「代表的なのは『刺激制御療法』です。就寝時刻に神経質にならず、眠くなってから床に就く。しばらくたっても眠れないなら、いったん床を離れ、眠くなるまでリラックスして過ごします」

 ―成功するこつは?

 「よくある間違いは、眠れないからと早く床に就くこと。かえって目がさえて、苦しみます。おおらかな気持ちが大切。そして休日でも決まった時間に起きて日光を浴びる。寝坊はリズムを崩します。不眠が慢性化する前に始めてください」

 ―寝酒に頼るのは。

 「晩酌でリラックスするのはいいですが、睡眠薬代わりの寝酒は禁物。慣れが生じやすく、酒量が増えてきます。慢性的に使うとかえって睡眠を浅くし、不眠を悪化させる。酒無しでは眠れないアルコール依存性不眠症になってしまいます」

 ―身近な不眠には時差ぼけがありますが。

 「私たちの脳にある体内時計は約24時間の昼夜のリズムを刻み、昼は起きて夜眠るというめりはりを保っています。ジェット機で時差のある地域まで高速移 動すると、体は昼なのに外は夜、体は夜なのに外は昼、というちぐはぐなことが起きます。これが不眠や日中の眠気を起こします」

 ―いい対処法は。

  「第1は体内時計のリズムを早く慣らすこと。昼間には日光を取り入れて、体内時計を現地に順応させます。ただ完全に順応すると、帰国後にまた苦労するので、第2の方法として、事前に医師に相談して睡眠薬を処方してもらい、現地で睡眠を確保するのも手です」


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