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東大病院の「ミニ移植」 |
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手術が不可能な難治性の膵臓(すいぞう)がん患者に、血液細胞のもとになる
造血幹細胞などを注入してがんを攻撃する「ミニ移植」という免疫療法の臨床研究を、昨年6月から東大病院無菌治療部(平井久丸助教授)と消化器内科(小俣政男教授)が進めている。 これまで5人の患者に実施し、中にはがんが半分近くに縮小した患者も。治療が直接の原因といえるような死亡例はなく、安全面でも許容範囲内との感触が得られたという。
▽造血幹細胞移植を応用ミニ移植は、白血病などの治療に行われている造血幹細胞移植を応用した手法。今回の研究では、まず3種類の抗がん剤を患者に投与してがんをたたく「前処置」を行う。 その後、患者と白血球の型が一致した血縁者を提供者に「末しょう血幹細胞移植」を行う。この際、同時に移植する提供者のリンパ球が、やがて患者のがん細胞を攻撃する「抗腫瘍(しゅよう)効果」を発揮する。ミニ移植は、通常の造血幹細胞移植よりも前処置を軽めにして副作用を抑える一方、提供者のリンパ球で抗腫瘍効果を補う。 担当の神田善伸助手によると、最も状態のいい患者は、移植から約190日(2月1日現在)の時点で、がんが約半分に。別の患者も、がんの程度を示す血液検査値が低下し た。この2人は、痛み止めのモルヒネが不要になった。 もう1人も、がんの進行が半年間抑えられたが、今年になってやや増大傾向になり、提供者のリンパ球を再注入した。 ▽効果には2カ月以上 一方、がんが非常に大きかった1人が、がんの進行で移植後2カ月半で死亡。別の1人も一時はがんが縮小したが、がんの進行と移植による免疫機能低下の両方が原因とみられる敗血症で、約半年後に亡くなった。 今回の対象は、70歳未満で、がんの悪化による腹膜炎を起こしていないなどの患者に限ったが、「抗腫瘍効果が出るには、移植後少なくとも2カ月かかり、この間を乗り切る体力が必要だ」(神田助手)という。 臨床研究はこの5人を含め計16人に治療を行う計画。平井助教授は「抗腫瘍効果には正常な細胞を攻撃する一面もあり、副作用との兼ね合いは慎重に判断する必要があるが、今後も情報を公開しながら進めたい」と話している。 |