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治療法なかった病気にも リウマチでは関節破壊防止 |
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関節リウマチ治療の切り札として一昨年登場したレミケード(一般名インフリキシマブ)など新タイプの抗リウマチ薬は、炎症や関節破壊が起こる仕組みを免疫学的に解明し、生物によってつくられるタンパク質などを利用して開発されたところから、「生物学的製剤」と呼ばれる。現在、同様の考え方で免疫や炎症を抑える多くの新薬が開発されつつあり、これまで治療法がなかった病気にも効果があると大きな期待が寄せられている。
▽公表後、普及へ ![]() レミケードは、専門機関における関節リウマチ患者5000例に対する投与が昨年暮れに終了。今後、副作用などの調査結果の公表を経て、一般の医療機関での使用が可能となる予定だ。 副作用では、予想されていた結核の発症が12例で見られたという。 「予測より少し多かったが、抗結核薬で予防が可能。今後、安全性をきちんと評価し、注意して使われれば、患者さんに大きな恩恵となることは間違いない」と埼玉医大総合医療センター第2内科の竹内勤(たけうち・つとむ)教授。 レミケードは、従来の抗リウマチ薬メトトレキサートと併用して用いられるが、関節破壊の進行を防ぐだけでなく、痛みを和らげる抗炎症作用も強く、投与翌日から痛みが少なくなったとの声も多く聞かれる。 「関節リウマチにレミケードやエンブレル(一般名エタネルセプト、今春発売予定)を使うと関節破壊を強力に抑えられる。米国の大規模試験の結果からは、症例によっては関節破壊を防ぐだけでなく、早期の患者では関節の修復も期待できる」(同教授)という。 ▽有効性を予測 ただ、レミケードが効くのは50―60%の人で、すべての人に効くわけではない。このため、竹内教授らは、遺伝子チップを利用してレミケードが効く人を予測する研究を進めている。 「現在、8大学で計133例の患者を登録できた。初回と2回目(8週間後)の投与の前に計2回採血し、チップを利用して、指標となる遺伝子を調べることによって92―94%の確率で有効性の予測ができた。投与前の1回だけでも80―84%予測が可能なところまで来ている」(同教授) 投与開始から1年後の状況を見て、そのデータを基に臨床応用を目指す予定だ。 「今後、予後の予測と効果の予測ができれば、従来の抗リウマチ薬と生物学的製剤を使い分けられる。最初から生物学的製剤を使っていくケースでは、早く効く上に、よくなった時点で薬をやめることができるのではないか」(同教授) ▽乾癬もきれいに ![]() 一方、生物学的製剤はこれまで治療法がなかった病気に威力を発揮する可能性が注目されている。 レミケードは現在、関節リウマチと炎症性腸疾患のクローン病に適応が認められ、ベーチェット病が申請中だが、「レミケードで乾癬(かんせん)性関節炎の乾癬がきれいに治った。本来は関節炎の方が適応だったが」と竹内教授。 「アナキンラ」(商品名キネレット、日本未発売)は、小児のマックルウェルス症候群に劇的な効果があった。「自己炎症性疾患」といって、周期的に炎症(熱)が起こる。この1―2年に初めて報告された病気だ。 若い男性に多い強直性脊椎(せきつい)炎には、既に米でエンブレル、レミケードとも承認され、血管炎症候群の中のウェゲナー肉芽腫症には両薬ともよく効くと報告されている。 竹内教授は「生物学的製剤は炎症が強いタイプの自己免疫病によく効くようだ。間質性肺炎やC型肝炎にも臨床試験が行われており、さまざまな炎症性疾患に効く可能性がある」と話している。 |