レーザーで完治増える
あざの治療に活躍
波長によって使い分け

 「あざ」の治療は、これまでなかなか難しかったが、最近はレーザーの発達により、手術療法やドライアイス療法に比べて、優れた効果が得られるようになった。
 あざ治療に約30年取り組んできた東京女子医大教授で、同大女性・自然医療研究所(東京都港区北青山)の若松信吾所長(形成外科学)は「レーザー治療で完治する人が多くなった。青あざはほぼ完全に治ると言ってよい」と話している。
 ▽吸収率の差を利用
 現在、あざの治療に使われているレーザーには、ルビー、ヤグ、ダイレーザーなどがあり、あざの種類により、使い分けられている。
 「あざには血管が異常に繁殖してできた赤あざ、メラニン色素が皮膚の比較的深い部分にまばらに存在する青あざ、異常増殖したメラニン細胞の1種から成る黒あざ、しみと間違えやすい茶あざがあり、白斑(はん)の白あざを含めると五種類ある」と同所長。
 レーザー治療では、皮膚組織の大部分をつくっているコラーゲンや赤血球に含まれるヘモグロビン、メラニン色素などで、レーザーの吸収率に差があることを利用する。
 吸収率はレーザーの波長によって異なり、レーザー光が色素に吸収されるとエネルギーが熱に変わり、その熱により、組織が破壊されて細胞が死に、あざが消えていく。

 ▽メラニン色素を破壊
 「例えば、ルビーレーザーはメラニン色素によく吸収され、真皮をつくっているコラーゲンや血管中に多いヘモグロビンには吸収されにくい。このため皮膚や血管の損傷が少なく、メラニン色素を含むメラニン細胞だけを破壊でき、青あざ治療ができる」と若松所長。
 ヤグレーザーもほぼ同様の性質を持つ。ダイレーザーの場合はヘモグロビンによく吸収されるが、コラーゲンには吸収されにくいので、血管が集まってできた赤あざ治療に使われる。
 「赤あざでは血管の集まり方によって違うが、20%は完全に治る。中心より周辺部分の方が治りやすく、効く場合は1回でかなりよくなる。残る70%はさまざまな程度に薄くなり、10%は血管が表層から深層まで分布しているため、残念ながら効かない」(同所長)。
 最近はレーザーの進歩で、深い所も焼けるようになってきたので、赤あざも丁寧に治療すれば30%は治りそうという。

 ▽子供の方が効果
 黒あざは、毛根を中心に深い所まであることが多く、いったん治ったように見えても再発することが多い。茶あざも毛根部分が関係しており、再発するので最も治療が難しい部類に入るという。
 レーザー治療では、痛みを避けるため、大人は局所麻酔、子供は全身麻酔する。
 1回照射後、3-4カ月から半年おいて、いったん皮膚を休ませてから2回目を実施。治癒する場合で同一部位を4、5回するのが普通という。
 治療する時期は早ければ早いほどよい。子供のころの方が皮膚の厚さが大人の半分ぐらいと薄く、レーザーの効果が大きいからだ。
 若松所長は「最近はレーザーのパルス照射の時間的な幅が広がるとともに、出力も高く、照射スポットの面積も大きくなり、その分、深いところまで届くようになって治療効果がアップしつつある。また、皮膚表面を冷却しながら治療できるようになり、痛みも減少、やけどで治療後にむけていた表皮がむけなくなった」と話している。
 現在、レーザーによるあざの治療は、健康保険が利くようになった。
 あざ以外では、入れ墨は回数を重ね、表層から順番に治療していけば、2年ぐらいできれいに治るという。

 

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