『尊厳死-4


 理解深め法制化を 
高井正文日本尊厳死協会事務局長

 
 高齢社会では、いかに健康に生き安らかに死ぬかが、大きな関心事。人生の終わりの一つの在り方である尊厳死について、日本尊厳死協会の高井正文事務局長(常任理事)に聞いた。

 ―尊厳死を法制化する動きがあります。

「日本尊厳死協会は1983年に10300人の署名を付け、法制化を国会に請願しました。2003年には協会独自の法律案をまとめました。05年に国会議員による法制化を考える議員連盟ができ、関係者の意見聴取などを行っていますが、さまざまな意見を踏まえ丁寧に議論する方針で進んでいるので、2、3年での法制化は難しいのではないでしょうか」
   
―法律が必要ですか。

「遺族アンケートでは、リビングウイル(生前発効遺言、尊厳死の宣言書)を拒否した医師は『リビングウイルはまだ承認されていない』『殺人と言われかねない』と拒否の理由を挙げていました。厚生労働省が作成を進めているガイドラインは拘束力がないので、法律で医師の免責を明確にする必要があります。もちろん、ガイドライン作りは法制化へ一つの過程にはなるでしょう」

―法制化への強い反対もありますが。
「難病の患者団体のほか、宗教家や弁護士の中にも反対意見はあります。法制化されると人工呼吸器を外されてしまう、死ぬように仕向けられる、などの懸念があるようです。しかし、協会が求めているのは本人意思の尊重であり、延命措置を中止してほしい人には中止し、続けてほしい人には続けることを担保する法律でなければなりません」
 


―今後の課題は。

「社会の理解が重要です。国民の関心を高め議論を呼び掛けるため、〇六年には東京と大阪でフォーラムを開き、今年は三月に福岡、五月に金沢、九月に広島で開催する予定です。また、意思表示できない患者に代わって、事前に指定した家族や弁護士などが医療措置の判断をする『医療代理人』制度の検討も必要と考えます」(了)


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