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新薬登場3年で25%に |
高血圧の治療薬が急速に変わりつつある。3年ほど前に日本に登場した「アンジオテンシンⅡ受容体ブロッカー(ARB)」というタイプの治療薬が、現在では推定で降圧薬の25%以上を占めるまでに増加しているからだ。高血圧症の専門医も「これほど急速に伸びた治療薬はないのではないか」と驚いている。
▽血管の収縮を抑える血圧は年齢ととも上昇し、40代では4人に1人、60代では2人に1人が高血圧になるとされており、高齢になるほど高血圧になりやすい。その高血圧に関連しているのが生理活性物質のアンジオテンシンⅡで、血管を収縮させて血圧を上げる作用がある。 ARBは、この物質が受容体と結合するのを阻害して血管の収縮を抑え、血圧上昇を防ぐ作用を持つ。また、動脈硬化を抑制する作用もあるという。 現在最も多く高血圧治療に使われるカルシウム拮抗(きっこう)薬は、血管を拡張する作用を持つ。服用するとすぐに血管が拡張するので血圧が低下。効果がすぐに表れ、医師も使いやすいという特徴がある。 高血圧治療の目的は、動脈硬化による狭心症や心筋梗塞(こうそく)、脳梗塞などの発症リスクの軽減にあるが、今のところカルシウム拮抗薬が、こうしたリスクをどの程度軽減できるのかはっきりしていない。 ▽心臓病の生命予後を改善 一方、ARBは米国で実施されている大規模臨床試験で予想外の効果が明らかになり、注目されている。 慶応大医学部の福田恵一講師(心臓病先進治療学)によると、高血圧の人に対して六年間投与したところ、同じ高血圧治療薬のベータ遮断薬と比べて、ARBの方が24・9%も脳卒中を起こす割合が減少。さらに心臓病の生命予後も3割以上改善することが確かめられたという。 1980年代の高血圧治療薬はカルシウム拮抗薬とベータ遮断薬だったが、90年代には、さらにアンジオテンシン(ACE)変換酵素阻害薬が加わり、現在はそれにARBが登場した。背景には、血圧を下げる薬も血圧の値だけでなく、生命予後を明らかに改善する薬剤が選ばれる時代になりつつあることを示しているようだ。 福田講師は「ARBはカルシウム拮抗薬のように急速に血圧が下がるタイプの薬ではないが、副作用は少なく、ほかの治療薬よりも患者に受け入れられやすいようだ。日本では4種類のARBが発売されており、このペースで増えれば、高血圧治療薬の50%以上を占める日もそう遠くないかもしれない」と話している。 |