早期発見、早期治療が重要
症状でない緑内障

 知らないうちに視神経の損傷が進行し、視力が奪われる緑内障。世界の患者数は7000万人に達し、失明原因の第2位を占める怖い病気だ。米国でも状況は同じで、対策に力を入れている。
 緑内障は、眼球の形を保つため内部に充満している「房水」という液体が過剰になり、視神経が傷ついて起きる。

  米国では原発開放隅角型

 最も多いのは、房水の出口となる隅角が広い開放隅角緑内障。これはさらに、眼圧が高い原発開放隅角緑内障(POAG)と、眼圧は正常の正常眼圧緑内障(NTG)に分かれる。高眼圧や家族歴、加齢、糖尿病、人種などが危険因子となる。
 製薬会社ファイザーの研究開発部門に所属するエレン・ストロールマン医師は「日本ではNTGが多いが、米国ではPOAGが主流。人種では黒人とカリブ系の発症が目立つ」と説明する。
 米国の治療指針では発症の注意年齢は55歳。「黒人とカリブ系については、日本並みの40歳に引き下げることを学会で議論している」(同医師)という。
 指針の作成は約20年前。「当時はほとんどの人が手遅れになるまで治療しなかった」(同)が、最近、早期に眼圧を下げる目薬を使うことで進行が抑えられると分かった。この効果はNTGでも確認されている。
 ただ緑内障は初期には症状が出ず、気付きにくい。ニューヨークの専門医スティーブン・オブストバーム医師も「欧米では患者の50%は病気と知らず、治療を受けていない。今後、高齢化により患者はさらに増え、早期発見と早期治療が一層重要になる」と強調した。

  リスクはじき出す計算尺

 米国でも日本と同様、「老眼鏡をつくる際に緑内障検査を」とのキャンペーンが行われている。
 そんな中、ファイザーはさまざまな危険因子の状態から緑内障の発症リスクをはじき出す計算尺を開発、医師に配り始めた。患者がまずかかることが多い一般医の診断の手助けとするためだ。
 オブストバーム医師も「一般医の元にも多くの緑内障患者が来ており、いいアイデアだ」と評価する。ただこれは高眼圧症の患者のどの程度がPOAGに進むかを調べた研究から生まれたもの。「日本に多いNTGに使うためには、別のものを開発する必要がある」と指摘している。


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