『小児成長障害-3』

治療開始はなるべく早く 
藤枝憲二・旭川医大教授

    

 ―今回は成長ホルモン分泌不全性低身長症について教えてください。

 「原因は不明ですが、脳の下垂体からの成長ホルモンの分泌が減る病気です。成長曲線でみると、3歳をすぎたころから成長が鈍り、カーブが寝てきます」

 ―治療法は?

 「成長ホルモンの補充で、週7回程度、自己注射します。典型的な場合、初年度は8―10センチ伸びます。翌年からは徐々に落ちますが、注射する期間が長いほど伸びは多くなる。だからなるべく早く治療を始めた方がいい。でも毎日の注射なので、実際に治療できるのは五歳ごろからでしょうか。特に男子では、治療効果がもう期待できない思春期になって受診することが多いのです」

 ―どのくらいの量をうつのでしょう。

 「量が多くなるほどよく伸びます。でも日本では体重1キロ当たり週に0.175ミリグラム。これは世界でも最も少ない量です。かつての供給量が少ない時代に定められた基準だからです。今は遺伝子技術で大量につくれるので、緩めてほしいというのが医師の願いです」

 ―背はどのくらいまで伸びるのでしょう。

 「治療開始年齢など、個人差があって一概には言えませんが、170センチまで伸びた例もあります。ただこれも最近、小児慢性特定疾患治療研究事業で、補助対象は男子が157センチ、女子は145センチまでという規定ができてしまいました。これについても見直してほしいと切に願っています」

 ―治療費は?

 「薬代だけで年間300万―500万円かかります。かつては全額補助でしたが、今は収入に応じて負担があり、最高額が月に1万円強。補助打ち切り後も治療を続ける場合、高額療養費制度が適用され年間50万円程度の負担になると思います」

 

 


ヘッドラインへ戻る

記事、写真、グラフィックスの無断転載を禁じます。
2005 Kyodo News (c) Established 1945 All Rights Reserved