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高齢社会では、いかに健康に生き安らかに死ぬかが、大きな関心事。人生の終わりの一つの在り方である尊厳死について、日本尊厳死協会の高井正文事務局長(常任理事)に聞いた。
―「尊厳死の宣言書」を実際に使うケースは、どのくらいですか。
「2005年に遺族にアンケートしたところ、597人から回答があり、宣言書を医師に提示したのは72%の427人、提示しなかったのは26%の152人、残りは不明です。提示には、ホスピスや緩和ケア病棟だったため必要がなかった例や、提示前に医師から『延命措置を望みますか』と聞かれた例などが含まれます。提示しなかったのは、心筋梗塞(こうそく)や交通事故などで示す時間がなかったのが主な理由と考えられます」
―尊重されましたか。
「提示した427人のうち、96%が医師から理解を得られました。肺がんの79歳男性の遺族は『医師が死期を見通し、全く苦痛がないように尽くしてくれた。大いに満足』と答えています。ほかにも『心穏やかに死と向き合い、家族との良き時間を安らかに過ごして旅立った』などの意見もありました」
―理解が得られなかった例では。
「74歳のがん患者の場合、医師が『この方法が、患者が一番苦しまない治療だ』と言って体中に管を入れ、遺族は『生きているというより生かされているありさまで、4日間苦しんで亡くなった』と振り返っています。別の遺族は『強く申し入れたのに断られ、大変なショックを受けた』と回答しました」
―医師が理解してくれないときは。
「転院も選択肢の一つで、実際に数件あります。協会に協力する医師は、首都圏を中心に約700人います。協会が担当医と話をすることもありますが、患者の容体を詳細に把握するのも難しく、宣言書をふりかざすことは避けた方がよいと思います。医療関係者の理解がさらに深まることが欠かせません」(続く)
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