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免疫抑制剤のパルス療法 患者掘り起こしも |
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膠原(こうげん)病の一種で、皮膚が硬くなる強皮症は全身性の場合、内臓にも症状が出る。日本人では、肺に炎症が起き硬くなって呼吸不全になる「肺線維症」による死亡が多いが、免疫抑制剤の一種を大量投与するパルス療法が効果を上げることが分かってきた。昨年発足した厚生労働省研究班(主任研究者、竹原和彦・金沢大医学部教授)は、初期の患者を掘り起こし、積極的に治療する臨床研究を始めた。 ▽新しい戦略必要
強皮症の患者には、健康な人には起きない、自分の体の成分に対する免疫反応が起き、この影響で全身の組織や血管に障害が出る。患者は中年女性がほとんどで、国内で一万人以上と推定されているが、進行が遅い人や適切に診断されていないケースも少なくないため、実際の患者は、この数倍以上とみられる。全身性の強皮症で特に問題となるのは、典型的な症状を示す「びまん型」と呼ばれるもの。同学部の佐藤伸一助教授は「五、六年で進行する上、肺の線維化など内臓の硬化はある段階を過ぎると元に戻らなくなる。早期の治療開始が極めて重要」と話す。 膠原病医療の成績は、ステロイド治療の普及などで全体としては向上しているが、びまん型の強皮症は内臓に影響が及ぶと五年生存率が60―80%程度。「ステロイドは肺 の硬化にはほとんど効かない。新しい治療戦略が必要」(佐藤助教授)だという。 ▽日本でも効果確認 研究班が臨床研究を行うのは、免疫抑制剤「シクロホスファミド」。通常、白血病やがんに使われるが、治療を受けた患者の肺の症状や生存率が改善したとする100人規模の研究論文が、2000年に米国で発表され、注目を集めた。 欧米では臨床試験が始まっており、これまでに約10人を治療した金沢大でも、進行が完全に止まった患者が出るなど効果が確認された。 計画では、通常量の数倍以上のシクロホスファミドを、静脈注射で1カ月に1度の割合で約半年投与する。ただ、この薬には骨髄の機能低下など強い副作用もあるため、実施には慎重な判断が必要。研究班は、気管支洗浄液や血液中の肺線維症の指標などを詳しく調べ、肺の炎症が一定以上で治療が可能、と判断した患者に治療を行う。 ▽患者相談システム
佐藤助教授は1997年から、インターネットによる患者相談を行っている。これまでに受けたのは約700件。「急速に症状が進むといった訴えから、びまん型の初期と判断し、治療が成功したケースも少なくない」(同助教授)という。初期の強皮症には、寒くなると指先が白や紫に変化する「レイノー現象」や、手指のこわばりなど特徴的な症状が出る。この段階で詳しい検査をして診断を確定させる必要がある。 研究班はパルス療法を含めた治療指針や、臓器別の重症度判定基準づくりを進 める。竹原教授は「強皮症は治らない、下手な治療はしない方がいいといった誤解が医療側にもあるが、効果を期待できる治療は増えており、指針に沿った適切な医療を提供できるようにしたい」と話している。 患者相談「強皮症オンライン」のアドレスはmailto:s-sato@med.kanazawa-u.ac.jp + font> |