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カフェイン併用化学療法 金沢大、高度先進医療に |
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抗がん剤を使う際にカフェインを併用投与するだけで、効いている抗がん剤はさらに、効いていない場合でも効くようになることが多い。
金沢大医学部整形外科では、独自に開発したカフェイン併用療法を術前に用いて、骨肉腫や軟部腫瘍(しゅよう)の治療に大きな効果を上げ、昨年11月には厚生労働省から高度先進医療として承認された。他のがんに対しても応用が期待される。 ▽DNA修復を妨害 ![]() 「カフェインといえば、コーヒーにも含まれる身近な存在だが、抗がん剤が破壊したがん細胞のDNAの修復を阻害する作用がある。効かない抗がん剤を何とか効くようにと考え出した」と同整形外科の土屋弘行助教授は話す。 カフェインに着目したのは18年前。がん細胞に対し、放射線や紫外線照射の際に併用投与すると効果が増強されるという論文があり、抗がん剤はどうかと試してみた。 試験管内の実験で非常に効果があり、抗がん剤が効かない人の骨肉腫を植え付けたヌードマウスでもよく効くことが分かり、臨床応用へ。全く効かなかった抗がん剤が、90―100%も効くものが出てきた。 「実際の治療では、抗がん剤を先に3―4時間投与し、がん組織に損傷を与えておき、続いてカフェインを3日間動脈内投与する」(同助教授) 体重60kgの人で1日2g。コーヒーなら約30杯分に当たるという。 ▽骨肉腫が消失 骨肉腫では、転移がないケースは非常によく効く。以前は抗がん剤が効くのは約40%だったが、カフェイン併用療法では全32例中、27例で骨肉腫が消失(84%)。3例は縮小し、患部のほとんどが壊死(えし)した。合わせて94%に効果が見られ、無効は2例だけだった。5年生存率は91%で、25人(78%)はその後転移も再発もない。 一方、転移がある場合については有効率は下がり、全14例で消失は2例。8例は縮小し、有効率は71%。4例は効かなかったという。 15歳の男子の場合、ふくらはぎの腓(ひ)骨に骨肉腫ができ、骨を破壊しながら浸潤し増殖、直径約八センチになっていた。神経もまひし、ひざから下が動かなかった。 術前のカフェイン併用療法の結果、骨肉腫は消失し、がん細胞もなくなった。11年経過したが、全く元の普通の状態になっている。 ▽価値ある補助剤 筋肉や筋肉の間、皮膚の下などから発生する軟部腫瘍の治療では、転移がない41例で消失は約30%、縮小を合わせると有効率は約70%。これまで5年生存率は50%以下だったが、81%まで上昇した。骨で見つかった肺がんや乳がんの転移がんに、この療法を実施したケースが数例あり、非常によく効いたという。 海外では3グループが同様の治療を進行性膵(すい)がんと皮膚がんの1種のメラノーマ、脳腫瘍に実施。膵がんに効果があったが、他の2つは効果なしとの報告がある。 「無効の2つはカフェインの投与量が少なく、患部まで十分届いていなかったのではないか」と土屋助教授。 「整形外科が扱う骨肉腫や軟部腫瘍は症例が少ないため時間がかかったが、既に100例を超え、間違いなく効くと言えるようになった。骨肉腫にはものすごく効く。いろいろながんに使ってみたらよいと思う。絶対に損はない。使う価値がある補助剤だ」と話している。 カフェインが安価なため、高度先進医療でも患者の負担は1回9500円と安い。この療法は福島県立医大、杏林大、高知大、愛媛大でも行っている。 |