ストレス分析、対策を助言
うつ予防でシステム開発
パソコン使い手軽に

 パソコンを使い普段の仕事や生活に関する質問に答えてもらうことで、ストレスの状態を分析、改善策を助言するインターネットのシステムを、横浜労災病院勤労者メンタルヘルスセンターが開発した。試験運用を進めており、うつ病の予防や早期発見、自殺防止に役立てたいとしている。

  ▽心の健診
 厚生労働省が2002年に労働者約1万6千人を対象に行った調査では、仕事や生活で強い不安、悩み、ストレスがあると答えた人は60%以上。理由は、職場の人間関係や仕事の量、質などが多かった。
 また、自殺者は毎年3万人を超えている。男性が多く、背景に仕事の悩みやうつがあるとも指摘されている。
 同センターは、ストレスの状況やうつの度合いを本人や周りの人が早く知り対応することが重要で、1人で悩んでいる人でも心の健康状態を手軽にチェックでき助言を受けられるようにと、システムを開発。08年からの本格運用を目指している。
 山本晴義センター長は「体と同じように心の健診をすることで問題を早く見つけ、受診などの対処ができる。企業など組織単位で実施すれば、職場環境のどこに問題があるのかも把握しやすくなります」と説明する。

▽182問
 利用者は、専用ホームページの画面の質問に答える。内容は、気分や体の不調に関して質問し、うつを評価する国際尺度のほかに①勤務の形態や残業時間、病気などのプロフィル②仕事量や職場の雰囲気、相談できる人の有無から調べるストレス③問題に直面したときにどう対処するかや運動、睡眠などの生活習慣・健康観④1年間に経験した職場や家族関係のトラブル、配置転換などの出来事―の5種類で、計182問。
 回答をもとに、心理的な仕事の負担や職場の対人関係などの項目ごとにストレス度の高低がグラフ化され、あらかじめ約60種類作ってある指導コメントの中から、どれに該当するかをコンピューターが解析し自動的に選ぶ。
 これに、利用者ごとに専門家が分析した「仕事量を見直し、上司や同僚に相談することを勧める」「ストレッチや歩くなど簡単な運動習慣を持って」といった助言を加え、5日後をめどに返信。利用者は専用ページで結果を確かめる仕組みだ。


▽従業員の理解
 06年6月から研究として、大手IT企業の20代―50代の約550人を対象に調査している。
 睡眠を6時間以上取ったり、上司や家族らによるサポートの量が多かったりした人はうつ傾向が低い一方で、仕事の内容や量の大きな変化、勤務の長時間化を経験した人はうつ傾向が高いなどのデータが出ており「管理職が部下をしっかり見て、相談に乗れるかどうかが特に大切です」(同センター長)。
 このシステムの利点は、心身の状態が悪いときなどいつでも試せ、勤務先で相談しにくいときに個人でできる、海外からでも使える―など。個人でも受けられるようにする予定で、1回の費用は1人5百円程度にしたいという。
 山本センター長は「企業などで利用するケースでは、人事考課に悪用しないことが重要。事実と違う回答では意味がないので、メンタルヘルスの必要性を従業員にまず理解してもらうことが課題になります」と話す。


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