ご飯食を見直そう
肥満や脳梗塞の防止に

 「中高年の健康マネジメント」をテーマに「お米・健康サミット2003」が、このほど日本医師会館で開かれ、各分野の専門医が和食の中心であるご飯食の重要さについて講演した。
 「肥満の防止と治療に和食は有用。また“そしゃく”が重要なことが最近、分かってきた」と指摘したのは大分医大名誉教授で中村学園大の坂田利家教授。
▽太っている人の80%が早食い
 ネズミを2群に分け、片方には硬いエサ、他方には軟らかいエサを食べさせると、軟らかいエサの群は早く、たくさん食べる。人でも太っている人の80%が、かみ方が粗く、早食いという。
 「かむと歯根膜から神経を通じて中脳、そしゃく中枢へ情報が行く。すると視床下部のヒスタミン神経系に情報が伝えられ、活発化させて、ヒスタミンを量産させる働きがある」(同教授)。このヒスタミンは満腹中枢に働き、食事終了の満腹信号として働く。
 さらにヒスタミンは交感神経を活発化させ、末しょうで脂肪を分解させてエネルギーを消費させる。
 ラットの実験で、ヒスタミン神経を活発化させると内臓脂肪の分解が進む。つまり、そしゃくでヒスタミン系を立ち上げるだけで内臓脂肪が減り、基礎代謝が上がってくるという。
 「人で、20人を2群に分け、そうめんを食べさせる(かまずにのみ込む)。片方はその前に10分間、味やカロリーがないガムをかんでもらう。その結果、ガムをかんだ方が食べる量が大きく減る。双方を入れ替えても同じ。減り方が違うが20人全員がガムをかんだ方が食べる量が減った」と坂田教授。
▽優れている和食
 「肥満防止だけでなく、そしゃくの点でも和食は優れており、中でも米飯は理想的」と述べた。
 慶応大医学部内科の日比紀文教授は「大腸がんは食生活の欧米化とともに増加中」と指摘。
 日本人男性で、米飯の量で大腸ポリープの発生を比べると、ご飯食の割合が高い人の方がポリープ発生の率が低く「ご飯食はポリープ、または大腸がんの発生を抑えているようだ」と語った。
 九州大名誉教授で西日本総合研究所の藤島正敏所長は、40年以上も住民の健康を追跡調査している福岡県久山町のデータを示し、「ご飯食がこの20年で急減し、肥満や高脂血症が急増。脳梗塞(こうそく)が従来の日本人型(小血管病)から欧米型(大血管病)へ変わりつつある。心血管病の予防には米飯が中心の和食をもっと見直すことが不可欠」と話した。
 

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