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医療新世紀
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2017.08.15

認知症「前段階」半数回復
愛知で高齢者4年追跡

 認知症の前段階といわれる「軽度認知障害」(MCI)と判定された在宅の高齢者を4年間追跡したところ、半数近くは正常な認知機能を回復したとの研究を、国立長寿医療研究センター(愛知県大府市)の島田裕之・予防老年学研究部長らのチームがまとめ、米医学誌に発表した。

 MCIは認知症に進行するばかりでなく、相当程度、回復可能なことを示した。チームは、回復した人の生活面の特徴などの分析を進めている。
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 島田さんによると、MCIは「認知症ではないが認知機能の一部が低下」「日常生活は自立」などの特徴があり、いわば認知症と異常なしの間のグレーゾーン。厚生労働省研究班は2012年時点のMCI人口を400万人と推計。島田さんらの研究では、65歳以上の20%程度がMCIとみられるという。

 チームは、大府市に住む約4200人の高齢者に11年から翌年にかけ認知機能テストを受けてもらい、4年後の結果と比較した。

 テストは記憶力、注意力、実行機能、処理速度の各領域で認知機能を評価。研究開始時点で約740人(18%)がMCIと判定された。4年後、このうち14%が認知症になったが、46%は異常なしのレベルに戻った。

 回復した人の割合は、機能低下の領域が単独だと39~57%だったが、低下が複数領域にわたると21~26%と低かった。逆に、認知症に進行した人の割合は、複数領域で機能低下がみられた人の方が多かった。

 MCIからの回復は海外でも報告されているが、回復率は2~50%台と研究によって大きな差があった。