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医療新世紀
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2017.02.07

心停止後の腎臓提供が低迷
患者の待機が長期化

 心停止した人からの腎臓提供が低迷し、移植手術の件数も伸び悩んでいることが日本移植学会、日本臓器移植ネットワークのまとめで分かった。

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 2010年の法改正で脳死になった人の家族の同意で臓器提供が可能になって以降、心停止後の提供が急減し、回復していないためだ。学会などではあらためて普及啓発に力を入れる方針。

 脳死段階での臓器摘出が必要な心臓などと違い、腎臓は提供者が心停止してからの提供が可能。腎臓は二つあり、1人の提供者から患者2人に移植することができる。

 移植ネットの統計によると、以前は心停止からの臓器提供は毎年100件(人)程度あったが、12年以降65、37、27件と急減。16年も32件にとどまった。脳死からの提供も10年の32件から増えてはいるが、15年58件、16年64件と伸び悩んだ。その結果、腎臓移植手術を受けられた患者は、一時は年間200人以上いたが、16年は177人と低迷している。

 腎臓移植を望みネットに登録している患者は15年で約1万3千人。登録から手術までの待機期間は平均約13年と長期化し、夫婦など非血縁間の生体腎移植が増えた。患者の高齢化も進んでいる。

 日本移植学会で集計に当たった奈良県立医大病院の吉田克法教授(腎不全外科)は、薬剤の進歩で腎臓移植の成績が向上した半面、提供数は欧米に比べて圧倒的に少なく、多くの患者が長期間の待機を余儀なくされていると指摘。学会としても啓発に取り組み、医師や看護師などの教育でも取り上げて認識を高めるが「一般の方にも普段から臓器提供について考えて家族で話し合っていただき、1件でも多くの提供をお願いしたい」と呼び掛けている。