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2015.04.07

小児期から目の紫外線対策
  将来の眼疾患を予防
 帽子やめがね併用を

 春から夏に向けて強くなる紫外線。肌と同様に注意したいのが目への影響だ。最近の研究で、子どもの頃から目に大量の紫外線を浴びると急速に目の老化が進み、比較的若いうちから白内障や老眼になる可能性のあることが分かってきた。専門家は「将来の眼疾患を予防するため、小児期から十分な紫外線対策を講じてほしい」と注意を呼び掛けている。
 ▽逆転現象
 「アフリカの人は一般に視力が良いと信じられているが、これはうそですね」。金沢医大 の佐々木洋教授(眼科学)はこう言い切る。確かにアフリカの子どもの視力は極めて良好だが、成人になると、むしろ日本人の方が視力で勝る逆転現象が起きるのだという。20150407honki.gif
 佐々木教授らは昨年、東アフリカのタンザニアで紫外線と眼疾患の関係を探る疫学調査を実施、日本(石川県)での調査データと比較した。
 タンザニアの小中高校生計231人を対象に裸眼視力を調べると、93・6%が1・0以上の良好な視力だった。近視の割合も日本の57・6%に対しわずか4・4%で、13分の1と少なかった。
 ところが、紫外線が原因とされる眼疾患の一つ「瞼裂斑」の症状の有無を調べると、タンザニアの子どもは中高生で100%、小学生を含めた全体でも実に97・3%が既に発症していた。これは23・0%だった日本の4・2倍。「予想以上の多さにびっくりしました」と佐々木教授は話す。
20150407honki.jpg ▽低視力と失明
 瞼裂斑は白目の表面を覆う結膜のタンパクが変性し、黄色っぽく変色したり盛り上がったりする病気。充血や局所的なドライアイの原因となり、何よりも見た目が悪い。放置すると、結膜が黒目部分に覆いかぶさる「翼状片」という病気につながる恐れもある。
 赤道に近いタンザニアの紫外線強度は日本の2倍以上。しかも、タンザニアの子どもは屋外での活動時間が長く、めがねやコンタクトレンズの使用率が非常に低いため、目が浴びる紫外線量は日本の3・3倍に上る。瞼裂斑の多さはその表れといえる。
 では、こうした環境にさらされ続けるとどうなるのだろう。佐々木教授らは40歳以上の937人を対象に調べた。
 すると、年齢が上がるにつれて裸眼視力0・3未満の低視力の人や失明した人の割合がどんどん高くなり、60代では37・4%、70代以上では74・6%に達した。70代以上の低視力が9・9%の日本とは対照的だ。
 ▽老眼も早まる
 さらに、目のレンズに当たる水晶体が中心部分(核)から白く濁ってくる「核白内障」が年齢とともに急増。老眼も早い時期から始まっていることが分かった。
 「白内障になると水晶体が硬くなり、ピント合わせが難しくなる。つまり紫外線によって白内障が早く起これば、早く老眼になる可能性がある。日本人でも目に大量の紫外線を浴びれば、タンザニア人と同じことが起こり得ます」と佐々木教授は警告する。
 対策には、つばの広い帽子や紫外線カットのめがね、サングラス、コンタクトレンズが有効。
 ただし、めがねはレンズが小さかったり、つるが細かったりすると、側面の顔とめがねの隙間から紫外線が入り込んでしまう。また、色の濃すぎるサングラスは視界が暗くなるため瞳孔が大きく開き、側面からの紫外線が水晶体に直接ダメージを与える可能性があり勧められないという。
 「紫外線の強い屋外で長時間遊ぶときは帽子をかぶり、めがねやコンタクトレンズも併用すると高い予防効果が得られます」と佐々木教授はアドバイスしている。(共同通信 赤坂達也)