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医療新世紀
特集
2014.09.24

待ったなしの医療費適正化
伸び著しい高額療養費

 国民医療費の増加が大きな社会問題となっている。とりわけ高額療養費の伸びが著しく、医療費の適正化が待ったなしの状態になってきたようだ。医療関係者の間ではこのままでは高額療養費制度が破綻してしまう、と心配の声も上がっている。
 ▽10年間で倍以上に
 日本では国民皆保険制度によって、通常、医療費の7割を医療保健が負担、残りの3割を患者が負担している。しかし、自己負担額が月当たりおよそ8万円を超える高額医療の場合は、後から自己負担分を公的に扶助する仕組みがある。これが高額療養費制度だ。
 この高額療養費がジワジワ増えているというのだ。厚生労働省のデータによると、2000年に入ってから高額療養費は増え出し、国民医療費の伸びを大きく上回っている。平成10年度を100とすると、平成20年度には国民医療費が117.7だったのに、高額療養費は215に達し、この10年間で倍以上に増えている勘定だ。
 ▽恩恵もたらしたバイオ薬品
 高額療養費の増加の要因は、高齢化に伴いがんなど医療費がかさむ疾病が増えたことがある。さらに医療技術が進歩し、分子標的薬やバイオ医薬品の登場も大きく関係している。
 バイオ医薬品は、遺伝子技術を用いて細胞工場で作られる高分子医薬品で、がんやリュウマチなど難病の治療に大きな恩恵をもたらしたが、高額なため、高額療養費を押し上げる原因の一つになっていた。
 このままの状態が続けば、高額療養費の一層の増加は避けられないだろう。しかし、ある医療関係者は、バイオ医薬品の特許が切れた後に出てくるバイオ後続品(バイオシミラー)の活用に期待を掛ける。1990年代の後半から開発されたバイオ医薬品ももうすぐ特許切れを迎えるのだ。
 ▽バイオシミラーが次々登場
 既にバイオシミラーとして成長ホルモンや赤血球の増殖因子、白血球の増殖因子が市場に出ている。抗リウマチ薬のバイオシミラーの登場も間近で、やがて、抗がん剤領域のバイオシミラーも登場するのは確実だ。
 「バイオシミラーの価格は、バイオ医薬品の7割以下に抑えられている。バイオシミラーをもっと使えるようになれば医療費を抑制できるのではないか。また、高額になる医療そのものが治療として適切かどうかを検討する制度も必要になるかもしれない」と、医療関係者は指摘している。
 
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