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医療新世紀
特集
2014.04.23

増加する選択肢
パーキンソン病の治療
生活の質向上を目指し

 手足の震えなど運動障害が現れ、ジワジワと進行してしまうパーキンソン病。発症すると、行動が制限され患者の苦悩は深い。そうした患者の生活の質の向上を目指してさまざまな薬剤が登場、治療の選択肢が増えている。
 ▽運動障害に便秘
 パーキンソン病の患者は全国で15万~20万人いると推定されている。年齢とともに増え、高齢社会で増えている病気の一つだ。発症すると、震えて倒れやすくなったりする運動障害に、便秘や睡眠障害、うつ、不安、手足の痛みなどを伴うケースも目立つ。
 病気そのものは神経伝達物質のドパミンを作る細胞が脳で減少することによって起こる。根本治療はなく、ドパミンを補充するLドパ製剤を1日数回飲む対症療法が基本だ。さらにドパミンの代わりに作用する「ドパミンアゴニスト」を使った治療もある。最近では貼り薬も登場している。
 パーキンソン病が厄介なのは、進行性の神経難病である点。Lドパ製剤など飲み続けても4、5年すると、次第に周期的に薬の効きが悪くなるオフ症状が起きてしまう。逆に効き過ぎて、不随意運動が出たりして、十分にコントロールできなくなってしまうこともある。
 ▽異なる作用機序で
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 このため、作用機序が異なる薬剤の登場が待たれた。ドパミン系でなく、別の生体物質のアデノシン系に働き掛けて運動機能を改善する。脳の神経細胞のアデノシンA2A受容体を阻害して、アデノシンの作用を抑制するイストラデフィリンだ。
 神経細胞は、ドパミンとアデノシンが相反する作用をして、運動機能を正常に調整している。同薬はアデノシンを抑えることで、減ったドパミンとのバランスの回復を狙う。Lドパ製剤と併用して、1日1回飲む補助薬として使う。
 国内で実施した臨床試験によると、Lドパ製剤が効かなくなるオフ症状の時間は1日平均1時間減った。また12週間の投与で、症状の改善は約60%に上ったという。
 Lドパ製剤の投与量や回数を調節しても、オフ症状が認められる患者が同薬の対象になる。パーキンソン病の専門医によると、ドパミン系薬剤の副作用を悪化させないという。
 ▽必要な使い分け
 ドパミン系の薬も最近進歩が著しく、多様化してきた。自己注射薬のアポモルヒネも患者に注目される薬剤の一つ。オフ症状が起きた時に患者が自分で皮下注射すればレスキュー治療ができる。
 注射後10分程度で効果が出て、約1時間持続する。パーキンソン病のある患者は「オフ現象が出たら自己注射する。この薬のおかげで外出できるようになった」と語っている。
 「治療薬が増えてパーキンソン病治療は新しい時代を迎えた。選択肢が増えた分、適切な使い分けが必要になってきた」と専門医は指摘している。

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