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医療新世紀
特集
2012.08.09

延命効果が明らかに
肺がんの免疫細胞治療

 肺がん患者を対象に免疫細胞治療の効果を調べたところ、化学療法(抗がん剤)単独よりも免疫細胞治療と併用した方が明らかに延命効果のある―。がんの免疫細胞治療を実施している「瀬田クリニックグループ」の岩井和郎医師らの研究で、こんなデータが出ている。
 免疫細胞治療は患者の血液から採取したリンパ球などの免疫細胞を体外で活性化し、増殖させ、再び体に戻してがんを抑え込もうという治療法だ。
 岩井医師らは、慶応大病院や東京医大病院、社会保険中央病院、JR東京総合病院など7カ所の医療施設の医師らとともに2002~06年の間、非小細胞肺がんで治療を受けた患者約540人を対象に①無治療(緩和ケアなど支持療法)②免疫細胞治療だけ③化学療法だけ④免疫細胞治療・化学療法を併用―など六つの群に分け、生命予後を追跡し、統計的に分析した。
 その結果、化学療法単独群と化学療法・免疫細胞治療併用群の生存期間の中央値の比較で、単独15・7カ月、併用20・8カ月と、併用群で生存期間の延長が確認できた。
 無治療群と免疫細胞治療群では同5・6カ月、12・7カ月と免疫細胞治療を受けた人の延命が明らかだった。
 同グループの後藤重則統括院長は「非小細胞肺がんは、肺がんの約80%を占めており、これだけ多数例で研究結果が出たのは初めて。免疫細胞治療が延命に役立つだけでなく、亡くなる直前まで全身状態が悪化していないことも分かった」と話している。
 免疫細胞治療は瀬田クリニックグループだけでなく九州大先端医療イノべーションセンター (福岡市)などでも受けられる。