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医療新世紀
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2012.04.17

接触皮膚炎、原因は多様
早期診断で防げる慢性化
パッチテストを推奨

 皮膚が物に触れることで湿疹ができ、かゆみやひりひり感などの症状が現れる接触皮膚炎。早期に原因を突き止められれば、それを暮らしから遠ざけることによって根治が望める半面、原因不明のままだと慢性化して治りが遅くなることもある。専門医は、早期の検査による原因の特定が大切だと強調している。
2012.0417honki1.gif ▽湿疹が特徴
 接触皮膚炎はいわゆる"かぶれ"。ウルシなどで古くから知られているが、時代ごとに体に触れるものが変わり、原因物質は多種多様だ。
 顔や体に直接付ける化粧品や毛染め剤、香水、日焼け止め...、野山や庭の植物、ヤマイモなどの食べ物、アクセサリーや眼鏡などの金属、ゴム製品、医薬品などが知られる。顔や全身の湿疹や、症状の長期化があるときは特に疑わしいという。
 東京医科歯科大 の高山かおる講師(皮膚科学)によると、現代の日本人は毎日体を洗ったり、空調の効きすぎで皮脂分泌が減ったりして皮膚の表層(角層)を傷めやすい。
 接触皮膚炎には大きく2種類がある。一つは、傷んだ角層を通り抜けた物質が直接、炎症を起こす「刺激性」。もう一つは、侵入した物質が抗原(アレルゲン)として免疫に認識されて反応を誘発する「アレルギー性」だ。アレルギー性では、その後に微量のアレルゲンに触れただけで広く、激しい反応が起こる。
 ▽3回で判定
 アレルギー性接触皮膚炎の原因特定に有効な検査が「パッチテスト」。疑わしいアレルゲンを薄めてテープに塗り、原則として背中の正常な皮膚に貼る。日本で症例の多い代表的な25種類のアレルゲンを並べるのが標準で、問診で疑わしい物が見つかったり、患者に心当たりがあったりする場合は付け加える場合も。もちろん、疑わしい物にはその段階で触れないようにする。
20120417honki.jpg 2日後に1度、さらに3日後か4日後、1週間後の計3回、判定する。皮膚が赤くなるなど症状が出れば、その箇所に塗ったアレルゲンが疑わしい。手間がかかるが、高山さんは「確実な診断は結果として治癒を早める」と強調した。
 68歳男性の例では、顔に始まり胴、手足に広がった湿疹が長期化。問診とパッチテストの結果、ようやく20年来使っている毛染め剤が原因の接触皮膚炎と判明した。
 また27歳女性は、顔の湿疹が首や胸、手足に広がり、慢性湿疹やアトピー性皮膚炎と診断されたが治らないためパッチテストを実施。シャンプーの成分が原因と分かり、使用をやめて治療した結果、きれいな皮膚を取り戻したという。
 ▽自己判断は危険
 化粧品の中にも新しい成分が次々に登場しており、それにつれて新しいアレルギー性接触皮膚炎が現れている。
 東邦大 の関東裕美准教授(皮膚科学)によると、日本の大手メーカーの製品は安全性が高まってアレルギー反応は起きにくくなったが、安価な製品や輸入品の中には、成分が必ずしもはっきりしないものも。また、ビューラーやパフなどのメーク用品も原因になり得る。
 ただし、化粧による接触皮膚炎には誤解が多く、注意が必要だ。
 「洗いすぎで皮膚が突っ張るほど皮脂を取りすぎることが、化粧品の刺激を招いている例が多い」(関東さん)からだ。刺激性なのにアレルギー性と安易に自己判断して化粧をやめてしまうのは、むしろ危険だという。
 関東さんは、まず使っている化粧品を"しみない"製品に変更し、紫外線を含む外気から皮膚を保護する化粧とスキンケアを指導する。
 適切な化粧でむしろ皮膚の防御が強まり、傷んだ皮膚を隠せることで患者の心の負担も軽減され、治療に良い効果も期待できるという。(共同通信 由藤庸二郎)