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2010.08.31

「塩分と健康-4」
段階的に減らそう 
木村玄次郎教授

 ―1日の食塩摂取量を、4月に男性9グラム未満、女性7・5グラム未満と、それぞれ厳しくした厚生労働省の食事摂取基準は不十分か。
 「日本高血圧学会や海外の指針の多くは1日6グラム未満を勧めています。日本人の摂取量が10グラムを超えている現状を考えれば、今回の厚労省の数値は当面のステップとしてとらえるべきです。将来的な目標や、それを達成していくための長期的戦略が必要だと思います」 20100831onepoint.gif
 ―個人レベルでは減塩にどう取り組めばいいのか。
 「減塩によって血圧が下がることなどが期待できますが、急に行うと失敗しやすいですし、脱水を招いて腎機能の低下などにつながる恐れもあるので、段階的に取り組むことが大事です。人の味覚は塩分を10~15%減らしても感じず、逆に、舌で塩分(ナトリウム)を感じる部分が増えます。ただ、食べる量が多ければ塩分の量も増えるので、減塩だけでなく食べ過ぎないことも忘れないでください」
 「体内の塩分を積極的に排出するためのDASH(ダッシュ)食と呼ばれるものもあります。米国で研究された食事療法で、軽症から中等症の高血圧であれば、降圧薬を飲まずに血圧が正常化することが示されました。インターネットなどにさまざまなレシピが載っています」
 ―特長は。
 「野菜と果物、低脂肪の乳製品を多く含み、カリウムやカルシウム、マグネシウム、植物性タンパク質が豊富です。一方、飽和脂肪やコレステロールは少なくなっています。古典的な日本食に低脂肪の乳製品を加えたものに近いとも言えます」
 ―なぜ高血圧が改善するのか。
 「メカニズムがすべて解明されたわけではありませんが、米ハーバード大とわれわれが共同研究したところ、ナトリウムを尿として排出する利尿作用を発揮していることが分かりました。塩分の摂取量も多い日本人は、DASHによる食事療法の恩恵を受けやすい民族だと思います」
 「血圧は薬で下げればいいと思っている人がいるかもしれませんが、薬物療法は減塩と組み合わせることで効果が高まりますし、逆に減塩しなければ薬は効きにくくなります」(共同=江頭建彦)(2010/8/31)