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医療新世紀
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2010.08.17

「塩分と健康-2」
さまざまな病気に関連 
木村玄次郎教授

 ―塩分の取り過ぎで血圧の高い状態が続くと、健康にどう影響する?
 「血管の壁が厚くなり、コレステロールなどの悪影響も加わって動脈硬化につながります。動脈硬化が進むと、細い血管が詰まったり破れたりして、狭心症や心筋梗塞、脳卒中などの発症リスクが増加します。また、高い血圧の維持に心臓は多くのエネルギーを必要とし、心筋を増やして対応しようとするため心肥大にもなり、心不全などにつながっていきます」20100817onepoint.gif
 「脳卒中は、最高血圧や最低血圧が一定の値以上の人で発症率が急激に増えることが分かっています。一方、別の研究では、高血圧かどうかは別にしても、塩分摂取量の多さが脳卒中の発症や死亡と関連することが示されています。脳血管の病気は、死亡だけでなく寝たきりの大きな原因にもなります」
 ―腎臓への影響は。
 「動脈硬化の影響は腎臓の血管にも及び、老廃物をろ過する機能などが低下します。食塩摂取量が多いほど腎障害が強くなり、腎不全になる確率も高まります。最初は症状がないため気付かないことが多いですが、進行すると血液透析や腎臓移植が必要になることもあります」
 ―血圧は1日の中で変動するが。
 「通常、血圧は日中より夜間の方が10~20%下がります。血管に負荷をかけず健康体を維持するためですが、塩分を多く取る人は、これを排出しようとする体の働きで、夜間も血圧を高く維持せざるを得なくなるのです。11年間に及んだ国際的な研究の結果によると、心血管の大きな病気の発症率が高かったのは、日中に比べ夜間の血圧が高い人でした」
 ―そのほかの病気の関連は。
 「日本人を対象にした厚生労働省研究班の大規模な疫学調査で、塩漬けの魚や干物、たらこなどの食品を取る頻度が多いほど、がんのリスクが高まることが示されました。特に塩分と関係が深いのは胃がんだと言われています。塩分はカルシウムの排せつを促すため骨粗しょう症が増え、気管支ぜんそく、白内障との関連も指摘されています」(共同通信 江頭建彦)(2010/7/17)