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医療新世紀
からだ・こころナビ
2010.06.15

受動喫煙でぜんそくリスク  
子どものアレルギー調査

 たばこは吸う人の健康を損ねるだけでなく、受動喫煙を通じて周囲の人の健康にも悪い影響を及ぼすことがある。家庭内の喫煙環境と、そこで育つ子どもの健康状態との関連を調べた疫学調査では、親などからの受動喫煙で子どもがぜんそくを発症するリスクが高まる可能性が示された。
 福岡大医学部 の三宅吉博・准教授(公衆衛生学)らは2004~05年、那覇市と沖縄県名護市の教育委員会の協力を得て、すべての公立小学校の児童と中学校の生徒を対象に、生活環境と健康状態を調査した。
 うち2万3千人のデータを解析した結果、親や祖父母などが1日に合わせて15本以上のたばこを家庭内で吸う環境の子どもは、喫煙環境にない子どもに比べ、過去1年間にぜんそくやぜい鳴が起きた度合いが1・2倍高いことが分かった。
 両親にぜんそくやアトピー性皮膚炎などアレルギー疾患の既往歴がある場合は、こうした傾向がより強く、アレルギー体質を親から受け継いだ子どものぜんそく発症を、受動喫煙が「後押し」している可能性が示された。
 これとは別に、三宅准教授らは1995年から数年かけて、大阪府寝屋川市を中心に同府内に住む妊婦約千人の協力を得て、生まれた子どもの健康状態を追跡調査した。その結果、母親が出生後に子どものいる部屋でたばこを吸う習慣があった場合、子どもが1歳半までにぜい鳴を起こすリスクが、母親がまったく吸わなかった場合に比べて2・9倍高かった。
 またアトピー体質の人の血中で高値の傾向がある免疫グロブリンE(IgE)の量を、調査開始時点で採取した妊婦の血液で調べると、1日に15本以上のたばこを吸う妊婦は、全く吸わない妊婦に比べ約2倍高かった。喫煙している妊婦はぜんそくを患っている度合いが高く、受動喫煙の環境にいる妊婦はアレルギー鼻炎の有症率が高いとの結果も出た。20100615navi.jpg
 三宅准教授らは「たばこは母親本人だけでなく、母胎環境を通じて、出生後の子どものアレルギー疾患に影響する可能性が排除できない」と指摘。新たに九州と沖縄で1500組の母子の追跡調査を始めており、リスク要因をより詳しく探る計画だ。(2010/06/15)