47NEWS >  共同ニュース >  医療・健康  >  医療新世紀 >  「インプラントの課題」-(4) じっくり考えてから 小宮山弥太郎院長
医療新世紀
歯科
歯科関連のニュースがご覧頂けます。
2010.05.06

「インプラントの課題」-(4) 
じっくり考えてから 
小宮山弥太郎院長

 現在、最も普及しているチタン製のインプラント(人工歯根)を開発したスウェーデンのブローネマルク博士に直接学び、1980年代前半に国内に手法を導入したブローネマルク・オッセオインテグレイション・センター(東京都千代田区)の小宮山弥太郎院長に聞いた。20100506rensai.jpg
 ―インプラントをめぐるトラブルが目立つが。
 「知識と技術、モラルを欠いた医療機関の行為により、信じられないようなことが起きている。歯を削り人工物をかぶせるといった通常の歯科治療では、仮に適合性が悪くても不具合が分かるには年単位の時間を要する。言い方を変えれば、多くの歯科医が『そこそこの結果』は出せる。だが、インプラントは最善かゼロか、結果が短期間で分かる」
 ―難しい医療なのか。
 「ブローネマルク博士は8年間の動物実験の後、自身の研究室の医局員のみに治療を許可し、成績を15年間積み重ね、インプラントの形状や手術器具、方法などを確立した上で世に出した。この治療は科学であり、長所と短所を知った上でルールにのっとって行えば長い期間、患者の生活の質を高めることができる」
 ―新しい製品や治療法も次々出ている。
 「例えば、表面の加工技術などで新しいものができ、短期的にはいい結果が得られやすくなっているが、医師の未熟さを製品に救われているようでは本末転倒だ。条件の悪い患者に無理に行えば炎症などを起こしやすくなる。業者の宣伝をうのみにせず、歯科医は自分で情報を判断して用いるべきかを決めるべきだ」
 ―患者はどのような点に注意すればいいか。
 「幸い、この医療は開始が1~2カ月遅れても大きな問題になることは少ない。強く勧められても焦らず、じっくり時間をかけて考えてほしい。周囲に相談し、他の歯科医にセカンドオピニオンを求めたりするのもいいと思う」
 ―医療機関選びで気を付けるべきことは。20100506rensai.jpg
 「症例数や埋め込みの本数、価格ばかりを強調する、どんな患者も治療できるような説明をする、利点のみ説明するといった施設は要注意。患者の病状や病歴を詳しく調べ、全身状態の把握やエックス線検査などを行った上で手術を行うところであることが重要だ。問題が起きた時の対処法や、責任の所在を事前に説明できることも必要で、『安い、早い、痛くない』などのうたい文句には安易に乗らないでほしい」(共同通信 江頭建彦)(2010/5/6)