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2010.03.16
<セーフコミュニティー>
暮らしを豊かにする活動
衛藤隆・東京大教授
セーフコミュニティーはどのようにして生まれたのか。活動を支援する「日本セーフティプロモーション学会 」の理事長、衛藤隆東京大教授(健康教育学)に、その歴史や意義について聞いた。
―なぜスウェーデンで始まったのか。
「同国は第2次世界大戦に参戦せず戦争の被害を受けなかったため、戦後の早い時期から生活習慣病予防など健康を守る活動に取り組めた。1950年代、子どもの死亡原因で事故が目立つことから、複数の組織が連携する委員会ができて事故防止活動を始め、子どもの事故が減っていった」
「それが労働災害など地域で起こるさまざまな事故を防ぐ対策へと広がった。その中で、単に事故を減らすだけでなく、地域社会の安全を高めて暮らしを豊かにするという『セーフティープロモーション』の概念が生まれた。これを生活レベルで具体化したのがセーフコミュニティーだ」
―どんな取り組みがなされたのか。
「例えば自転車の事故では、転んで頭を打つと命にかかわる。そこでヘルメット着用を普及させた。事故につながる道路の突起や段差もなくすなど、まちづくりの中に安全という観点が入れられるようになった」
―いわゆる「安全・安心なまちづくり」とはどこが違うのか。
「日本では近年、犯罪検挙率が低下したことを受け、防犯活動に特化した『安全・安心なまちづくり』のための条例が各地でつくられた。セーフコミュニティーの活動は、対象がもっと広い。犯罪だけでなく不慮の事故、自殺がどのようにして起こっているのかを科学的に把握して対策を取り、死んでしまったり重傷になったりするのを防ぐことを目指している」
―セーフコミュニティーを成功させる鍵は。
「生きるためには地域社会が安全である方がより良いんだという意識を、住民が持ち続けることが一つ目の鍵だ。行政に任せるのではなく、住民がボランティアとして参加し、一緒に運動を進めていく必要がある」
「日本は縦割り行政なので、ともすれば保健・安全関係の部署だけが頑張るということになりかねない。首長が決断し、縦割りの組織を横につないで、力を発揮させることができるかどうか。それが二つ目の鍵だ」
―日本での課題は。
「セーフコミュニティーには、対策の効果を検証する仕組みが求められている。けがの件数や発生時の詳しい状況など、予防に役立つデータが必要だ。海外では医療機関でそうしたデータを集めているが、日本にはその仕組みがない。何らかの工夫が必要だろう」(共同通信 辻村達哉)(2010/03/16)
―なぜスウェーデンで始まったのか。
「同国は第2次世界大戦に参戦せず戦争の被害を受けなかったため、戦後の早い時期から生活習慣病予防など健康を守る活動に取り組めた。1950年代、子どもの死亡原因で事故が目立つことから、複数の組織が連携する委員会ができて事故防止活動を始め、子どもの事故が減っていった」
「それが労働災害など地域で起こるさまざまな事故を防ぐ対策へと広がった。その中で、単に事故を減らすだけでなく、地域社会の安全を高めて暮らしを豊かにするという『セーフティープロモーション』の概念が生まれた。これを生活レベルで具体化したのがセーフコミュニティーだ」
―どんな取り組みがなされたのか。
「例えば自転車の事故では、転んで頭を打つと命にかかわる。そこでヘルメット着用を普及させた。事故につながる道路の突起や段差もなくすなど、まちづくりの中に安全という観点が入れられるようになった」
―いわゆる「安全・安心なまちづくり」とはどこが違うのか。
「日本では近年、犯罪検挙率が低下したことを受け、防犯活動に特化した『安全・安心なまちづくり』のための条例が各地でつくられた。セーフコミュニティーの活動は、対象がもっと広い。犯罪だけでなく不慮の事故、自殺がどのようにして起こっているのかを科学的に把握して対策を取り、死んでしまったり重傷になったりするのを防ぐことを目指している」
―セーフコミュニティーを成功させる鍵は。
「生きるためには地域社会が安全である方がより良いんだという意識を、住民が持ち続けることが一つ目の鍵だ。行政に任せるのではなく、住民がボランティアとして参加し、一緒に運動を進めていく必要がある」

「日本は縦割り行政なので、ともすれば保健・安全関係の部署だけが頑張るということになりかねない。首長が決断し、縦割りの組織を横につないで、力を発揮させることができるかどうか。それが二つ目の鍵だ」
―日本での課題は。
「セーフコミュニティーには、対策の効果を検証する仕組みが求められている。けがの件数や発生時の詳しい状況など、予防に役立つデータが必要だ。海外では医療機関でそうしたデータを集めているが、日本にはその仕組みがない。何らかの工夫が必要だろう」(共同通信 辻村達哉)(2010/03/16)


