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医療新世紀
からだ・こころナビ
2010.03.09

歯周病菌、1日で抑える 
殺菌水やレーザーで

 歯が抜ける危険性が高まるだけでなく、心臓病や糖尿病、肺炎など全身の病気とも関連し、治療の重要性が強調されるようになった歯周病。専門的処置には時間がかかるが、医療機関の中には、殺菌力のある電気分解水やレーザーを使い、口腔内の歯周病菌を抑える初期治療を原則1日で行うところもある。
 歯周病は、口内の数百種の細菌や、細菌が出す物質が歯に付着した歯垢、これが変化した歯石が原因となって起きる。バイオフィルムと呼ばれる細菌の集落や歯石は、歯ブラシだけで除去するのは難しく、専用の器具や薬剤を使った処置を歯科で受ける必要がある。
 器具の先端が歯肉に触れるなどして痛みを伴うこともあるため、麻酔をする場合も多く、歯全体のケアには通常、数回の受診が必要だ。
 患者の負担を減らせないかと、東京再生医療センター (千代田区)の歯科医師、崔昌植さんが約1年半前から取り組むのが、殺菌水とレーザーを併用する方法。
 殺菌水には、食塩を添加した純度の高い水を電気分解してつくる高濃度の次亜塩素酸水を使用。「強い殺菌力でバイオフィルムが溶け、中の細菌も不活性化する」と崔さん。プールのようなにおいがするが、濃度は食品添加物法の基準範囲内で、水道法の基準も満たしているという。
さらに、細菌の死滅効果を高めたり、歯と歯肉のすき間(歯周ポケット)のバイオフィルムや歯石を除去したりするために、医療用レーザーを使う。歯周ポケット奥の処置は通常、メスで歯肉を切開し、後で縫合する必要があるが、レーザーなら出血や感染のリスクが減少。感覚を鈍らせる効果もあるため、麻酔は使用しないか、ごく少量で済むとしている。20100310navi.jpg
 処置は通常3~4時間。以後は殺菌水を継続使用しながら、正しいブラッシングや定期チェックで状態を維持する。崔さんは別の診療所も含め、これまで300人以上に実施した。
 「健康状態がよくなったと話す患者が多いので調べたところ、がん細胞や病原菌を攻撃するリンパ球の一種『NK細胞』の活性が極端に低下した人で、治療後に活性が軒並み上がった。さらに研究したい」と崔さん。
 保険はきかず、歯の本数に応じて計数十万円の費用が必要だが、「口腔内の状態を効率的に"リセット"できるメリットは大きい」としている。