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2010.02.16

<チーム医療>
真ん中の患者を支える 
阿南節子・市立堺病院部長 

 がんの外来化学療法や緩和ケア、感染症の治療などで多職種が参加するチーム医療を行っている市立堺病院 (大阪府)の阿南節子薬剤・技術部長に、チーム医療の意義や展望を聞いた。
 ―チーム医療が求められる背景は。
 「複雑化する医療を医師だけで担うのは無理で、医師の『私にすべて任せて』、患者の『私の命は預けます』といった従来の態度では対応できない。病気に立ち向かう姿勢を応援するのには、さまざまな職種がかかわる方がいい」
 ―堺病院での導入はスムーズだったのか。
 「1980年代末から、入院患者の服薬指導の一部を薬剤師が担当し、医師からも『自分の治療が正しいかを違う目で見てもらえる』と理解が少しずつ広がった。その後も抗がん剤の治療や副作用についての説明を医師に代わって引き受けるなどして、徐々に現在のチームの形態が整った」
 「職種が違えば患者へのアプローチや情報提供の質も変わり、さまざまな角度から患者を支えられることが、今では共通認識になった。事務職が参加するチームの打ち合わせもある」
 ―どんなことができるようになったか。医師だけが担っていた時とはどう違うか。
 「例えば私が術前化学療法を説明する場合、図を描きながら、がん細胞がなぜできて、どのように増えていくのか、といった話から始める。告知を受けて落胆したり、大きな不安を抱えたりする患者に、手術前にがんをたたいておくことの必要性や、副作用の脱毛はがんをやっつけていることの裏返しであることなどを、時間をかけて理解してもらう」
 「患者に迷いがあるような時、一番身近にいる看護師が背中を押してあげるようなひと声をかけ、後で感謝されたケースも見た。昔なら『先生に聞きましょう』だったかもしれないが、情報を共有し、チームで方針が統一できているからこそ、こうしたことができる」
 ―望ましいチーム医療の姿は。20100216interview.jpg
 「科学的根拠に基づいた医療をスタッフが熟知していることが大前提。共通の認識を持ち、同じ目標に向かって互いに切磋琢磨することが重要。それぞれの分野の専門家として自由にものが言え、ひとりひとりがリーダーになれることが理想だ。医師が真ん中ではなく、医師もほかの職種も『メディカルスタッフ』として、真ん中にいる患者を支えるべきではないか」(共同通信 江頭建彦)(2010/02/16)