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2010.02.23
『摂食障害―1』
飽食の時代に患者増加
浜松医大の森則夫教授
若い女性を中心に増えている摂食障害。浜松医大 の森則夫教授に、増加の背景や治療法について聞いた。
―摂食障害のタイプは。
「いわゆる『拒食症』と呼ばれる神経性無食欲症と、『過食症』と呼ばれる神経性大食症があります。両方は全く別かというと必ずしもそうではなく、ある時はたくさん食べ、ある時は食べないというように同じ患者で症状が行ったり来たりすることも多いです」
―患者の特徴は。
「数では女性が男性の数倍で、ほとんど女性固有の病気と言っていい。同時にうつの症状や、物事にこだわる強迫性障害が現れることもあります。摂食障害と一緒にみられるこれらは、いわば親せきのようなもので、精神医学では『併存』と呼ばれます」
―典型的な症状は。
「拒食症は食べることや体重が増えることに対する強い恐怖心がある。ボディーイメージの障害とか肥満恐怖とも言います。過食症はダイエットの反動で起きることがある。いらいらしてたくさん食べるが、その後吐き出すのを繰り返します。繰り返すので歯が当たる指の部分に『吐きだこ』ができる人もいます」
―患者数の推移は。
「30年前は日本では非常にまれな病気でした。報告が多かった米国の例などから、比較的裕福な家庭の、教育レベルの高い女性に多い傾向が指摘されました。ただ最近では家庭環境にかかわらず誰でもかかるようになり、患者は驚くほど増えています。10代から20歳前後までの女性の100~150人に1人程度見られます」
―増加の背景は。
「発展途上国では少なく先進国に多い。日本ではバブル経済の時期、飽食の時代になって大きく増えています。人類の歴史は飢餓に満ちていたが、それがなくなったことの影響が考えられます」
「もともと東洋では、観音様のようにぽっちゃりして母親のように安らぎを与える体形がわれわれの抱く女性のイメージでした。それがファッションモデルのように、過度にスリムな方が美しいという文化に変わってきました。先進国を含む国際比較でも、日本は特にやせすぎの女性の比率が高いとの結果が出ており、今後患者がさらに増えるのを心配しています」
× × ×
もり・のりお 77年、福島県立医大卒。カナダのブリティッシュコロンビア大客員研究員、福島県立医大講師などを経て、浜松医大・精神神経医学講座教授。福島県出身。(共同通信 吉村敬介)(2010/02/23)
―摂食障害のタイプは。
「いわゆる『拒食症』と呼ばれる神経性無食欲症と、『過食症』と呼ばれる神経性大食症があります。両方は全く別かというと必ずしもそうではなく、ある時はたくさん食べ、ある時は食べないというように同じ患者で症状が行ったり来たりすることも多いです」
―患者の特徴は。
「数では女性が男性の数倍で、ほとんど女性固有の病気と言っていい。同時にうつの症状や、物事にこだわる強迫性障害が現れることもあります。摂食障害と一緒にみられるこれらは、いわば親せきのようなもので、精神医学では『併存』と呼ばれます」
―典型的な症状は。
「拒食症は食べることや体重が増えることに対する強い恐怖心がある。ボディーイメージの障害とか肥満恐怖とも言います。過食症はダイエットの反動で起きることがある。いらいらしてたくさん食べるが、その後吐き出すのを繰り返します。繰り返すので歯が当たる指の部分に『吐きだこ』ができる人もいます」
―患者数の推移は。
「30年前は日本では非常にまれな病気でした。報告が多かった米国の例などから、比較的裕福な家庭の、教育レベルの高い女性に多い傾向が指摘されました。ただ最近では家庭環境にかかわらず誰でもかかるようになり、患者は驚くほど増えています。10代から20歳前後までの女性の100~150人に1人程度見られます」
―増加の背景は。
「発展途上国では少なく先進国に多い。日本ではバブル経済の時期、飽食の時代になって大きく増えています。人類の歴史は飢餓に満ちていたが、それがなくなったことの影響が考えられます」
「もともと東洋では、観音様のようにぽっちゃりして母親のように安らぎを与える体形がわれわれの抱く女性のイメージでした。それがファッションモデルのように、過度にスリムな方が美しいという文化に変わってきました。先進国を含む国際比較でも、日本は特にやせすぎの女性の比率が高いとの結果が出ており、今後患者がさらに増えるのを心配しています」
× × ×
もり・のりお 77年、福島県立医大卒。カナダのブリティッシュコロンビア大客員研究員、福島県立医大講師などを経て、浜松医大・精神神経医学講座教授。福島県出身。(共同通信 吉村敬介)(2010/02/23)


