からだ・こころナビ
2010.02.23
"上流"に働き血圧下げる
昨年発売のレニン阻害薬
塩分を取りすぎて血液中の濃度が高まると、これを薄めるために水分が増え、血液量が増えて血管の壁への圧力(血圧)が上昇する。高血圧の人が減塩を勧められるのはこのためで、体内に水分と塩分を保持するために備わっている「レニン・アンジオテンシン(RA)系」と呼ばれる調節システムが関係している。
RA系で働く降圧薬は種類によって作用する段階が異なる。昨年秋には最も"上流"に働く「直接的レニン阻害薬」と呼ばれる新薬が発売され、この分野の薬の選択肢が増えた。
RA系の大まかな仕組みはこうだ。体内の水分や塩分が足りなくなると、腎臓からレニンという酵素が血液中に出る。レニンは、肝臓でつくられるアンジオテンシノーゲンという物質を、アンジオテンシン(AT)1という別の物質に変え、RA系を活性化させる。
AT1は、主に肺に存在する酵素「ACE」によって、AT2という物質に変わる。これが特定の受容体にくっついて血管を収縮させ、塩分の吸収を促す時に血圧が上昇する。
RA系に着目し、1970年代に開発されたのが「ACE阻害薬」で、ACEをブロックしてAT2をできにくくする。90年代に続いた「AT受容体拮抗薬(ARB)」は、AT2の受容体の働きをブロックする。
ともに降圧薬として普及しているが「ACE阻害薬は別の酵素の働きもブロックするため、からせきが出る恐れがある。ARBも別の受容体への作用が増すことなどが考えられる。そこでレニンの作用を直接阻害する薬が検討されたが、開発は難航した」と、高血圧に詳しい久代登志男・日本大医学部教授。
新薬の「アリスキレンフマル酸塩」(製品名ラジレス、ノバルティスファーマ)は、レニンの詳細な構造解析から生まれた。レニン分子のすき間に結合し、アンジオテンシノーゲンからAT1ができるのを妨げる。1日1回飲む経口薬で、国内外の臨床試験では既存のARBと同等の降圧効果を確認、さらに併用で効果が増すことも確認された。
久代教授は「血中半減期が長いため効果が持続するのが特長。自覚症状のない高血圧の患者では、飲み忘れなどがあることを考えると意味がある」。心臓や腎臓を保護する作用などを検証する大規模試験も進んでいる。
RA系で働く降圧薬は種類によって作用する段階が異なる。昨年秋には最も"上流"に働く「直接的レニン阻害薬」と呼ばれる新薬が発売され、この分野の薬の選択肢が増えた。

RA系の大まかな仕組みはこうだ。体内の水分や塩分が足りなくなると、腎臓からレニンという酵素が血液中に出る。レニンは、肝臓でつくられるアンジオテンシノーゲンという物質を、アンジオテンシン(AT)1という別の物質に変え、RA系を活性化させる。
AT1は、主に肺に存在する酵素「ACE」によって、AT2という物質に変わる。これが特定の受容体にくっついて血管を収縮させ、塩分の吸収を促す時に血圧が上昇する。
RA系に着目し、1970年代に開発されたのが「ACE阻害薬」で、ACEをブロックしてAT2をできにくくする。90年代に続いた「AT受容体拮抗薬(ARB)」は、AT2の受容体の働きをブロックする。
ともに降圧薬として普及しているが「ACE阻害薬は別の酵素の働きもブロックするため、からせきが出る恐れがある。ARBも別の受容体への作用が増すことなどが考えられる。そこでレニンの作用を直接阻害する薬が検討されたが、開発は難航した」と、高血圧に詳しい久代登志男・日本大医学部教授。
新薬の「アリスキレンフマル酸塩」(製品名ラジレス、ノバルティスファーマ)は、レニンの詳細な構造解析から生まれた。レニン分子のすき間に結合し、アンジオテンシノーゲンからAT1ができるのを妨げる。1日1回飲む経口薬で、国内外の臨床試験では既存のARBと同等の降圧効果を確認、さらに併用で効果が増すことも確認された。
久代教授は「血中半減期が長いため効果が持続するのが特長。自覚症状のない高血圧の患者では、飲み忘れなどがあることを考えると意味がある」。心臓や腎臓を保護する作用などを検証する大規模試験も進んでいる。


