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2010.02.02
多彩な症状、個人差も
伊藤病院の伊藤公一院長
「甲状腺の病気」―(2)
女性を中心に患者は500万人ともいわれ、珍しい病気ではないが、症状がさまざまでほかの病気と間違われやすいのが甲状腺疾患だ。国内有数の専門医療機関、伊藤病院 (東京都渋谷区)の伊藤公一院長に聞いた。
―甲状腺疾患の症状は。
「甲状腺の機能に異常を生じるバセドー病や橋本病(慢性甲状腺炎)は、首の腫れ以外に全身のあらゆるところに症状が出るほか、精神面に影響が出る場合も少なくありません。心身の働きを高める甲状腺ホルモンの分泌が過剰になるバセドー病と、分泌が少なくなる橋本病とでは通常、正反対の症状が出ますが、いずれもほかの病気でも見られるもので、症状だけからの診断は困難です」
―具体的には?
「バセドー病では動悸がよく見られます。安静時でも脈拍が早く、走ったり階段を上ったりすると毎分160回くらいに増えることもあります。ほかに手や指の震え、暑がりで多汗になって水を多く飲む、食欲が増すのにやせてくる、微熱や下痢が続くなどの症状も出ます。精神面では、いらいらして落ち着かない、興奮しやすいといった症状が現れることがあります」
「一方、橋本病では体がだるい感じがして寒がりになったり、便秘やむくみ、月経不順、声のかれなどが見られたりします。無気力になって気持ちがふさぎ、物忘れが増える人もいます」
―女性の更年期障害と似ているのでは。
「そうですね。特に橋本病は症状が重くない人も多いため、そのうち治ると勝手に判断して放置する人も少なくありません。甲状腺の病気は人によっても年齢によっても症状が異なり、患者は胃腸科や循環器科、婦人科、精神科などさまざまな診療科を受診し、甲状腺の専門医にたどりつくまでに時間がかかるケースもあります」
―バセドー病では眼球にも症状が出るのでは。
「この病気は眼球が突出するものだと思っている人も少なくないようですが、症状のある人は2~3割です。眼球の奥の筋肉や脂肪が炎症やむくみを起こし、眼球を前に押し出すのが原因で、甲状腺機能亢進の程度とは無関係です。症状に合わせ眼科医と協力して治療します」
―形態異常の症状は。
「甲状腺全体が腫れる『単純性びまん性甲状腺腫』や、しこりができる『結節性甲状腺腫』は、痛みなどの自覚症状がない場合がほとんどです。結節性甲状腺腫では良性と悪性(がん)の見極めが必要です。良性の腫瘍は表面が滑らかで弾力がありますが、悪性はでこぼこで弾力もありません。小さな腫瘍の場合、触診では分からず、超音波や細胞を取って調べる検査が重要です」(共同通信 江頭建彦)(2010/02/02)
―甲状腺疾患の症状は。
「甲状腺の機能に異常を生じるバセドー病や橋本病(慢性甲状腺炎)は、首の腫れ以外に全身のあらゆるところに症状が出るほか、精神面に影響が出る場合も少なくありません。心身の働きを高める甲状腺ホルモンの分泌が過剰になるバセドー病と、分泌が少なくなる橋本病とでは通常、正反対の症状が出ますが、いずれもほかの病気でも見られるもので、症状だけからの診断は困難です」
―具体的には?

「バセドー病では動悸がよく見られます。安静時でも脈拍が早く、走ったり階段を上ったりすると毎分160回くらいに増えることもあります。ほかに手や指の震え、暑がりで多汗になって水を多く飲む、食欲が増すのにやせてくる、微熱や下痢が続くなどの症状も出ます。精神面では、いらいらして落ち着かない、興奮しやすいといった症状が現れることがあります」
「一方、橋本病では体がだるい感じがして寒がりになったり、便秘やむくみ、月経不順、声のかれなどが見られたりします。無気力になって気持ちがふさぎ、物忘れが増える人もいます」
―女性の更年期障害と似ているのでは。
「そうですね。特に橋本病は症状が重くない人も多いため、そのうち治ると勝手に判断して放置する人も少なくありません。甲状腺の病気は人によっても年齢によっても症状が異なり、患者は胃腸科や循環器科、婦人科、精神科などさまざまな診療科を受診し、甲状腺の専門医にたどりつくまでに時間がかかるケースもあります」
―バセドー病では眼球にも症状が出るのでは。
「この病気は眼球が突出するものだと思っている人も少なくないようですが、症状のある人は2~3割です。眼球の奥の筋肉や脂肪が炎症やむくみを起こし、眼球を前に押し出すのが原因で、甲状腺機能亢進の程度とは無関係です。症状に合わせ眼科医と協力して治療します」
―形態異常の症状は。
「甲状腺全体が腫れる『単純性びまん性甲状腺腫』や、しこりができる『結節性甲状腺腫』は、痛みなどの自覚症状がない場合がほとんどです。結節性甲状腺腫では良性と悪性(がん)の見極めが必要です。良性の腫瘍は表面が滑らかで弾力がありますが、悪性はでこぼこで弾力もありません。小さな腫瘍の場合、触診では分からず、超音波や細胞を取って調べる検査が重要です」(共同通信 江頭建彦)(2010/02/02)


