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医療新世紀
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2010.02.02

歯周病、糖尿病で合併も 
低い認知度、死亡にも関与 
医科、歯科の協力広がる

 糖尿病の合併症の中で、網膜症や腎症、神経障害などに比べ知られていないのが歯周病だ。腎症などによる死亡にもかかわっているとされる一方、歯周病を治療することで糖尿病のコントロールもよくなったとの報告もあるといい、医科と歯科が協力して患者をケアする取り組みが始まっている。
 ▽登録制度
 糖尿病の患者は、歯周組織の微小な血管の障害や、歯肉部分の血行の悪化、免疫機能の低下などで歯周病が悪化しやすいと考えられている。20100202honki.gif
 公立昭和病院(東京都小平市)内分泌・代謝内科の貴田岡正史部長によると、糖尿病患者の死亡率は、合併している歯周病が重度になるほど高まり、糖尿病性腎症や心筋梗塞が原因で死亡するケースでは、約4割に歯周病がかかわるとの研究がある。
 「糖尿病網膜症などの状況が眼科医の協力で改善しているのに比べると、歯周病は合併症としての認知度がまだ低い」と、貴田岡さん。知識の啓発や調査研究を行っている日本糖尿病協会 は2007年に歯科医師の登録制度を始めたほか、糖尿病と歯周病の関連学会による合同シンポジウムなども行われるようになった。
 ▽受診促す
 東京・多摩地区周辺の医師や看護師、薬剤師、管理栄養士など約800人で構成し、貴田岡さんが理事長を務めるNPO法人「西東京臨床糖尿病研究会 」。地域に根差して活動してきたこの団体にも歯科医が加わった。
 その一人、ハマダデンタルクリニック(多摩市)院長で歯周病専門医の浜田亮さんは「日本人の4人に1人が糖尿病、もしくは予備軍であることを考えると、糖尿病なのに受診していない、病気を指摘されても治療を受けていないなどの人が歯科医院を訪れる確率は高く、われわれが受診を促すことは重要」と話す。
 患者の歯周病が重い時や、治療しても改善が思わしくない時、多尿など気になる症状がある場合は、糖尿病専門医や内科医を紹介するという。逆に近隣の糖尿病専門医からは、歯周病の治療やチェックを要する糖尿病患者が紹介されてくる。20100202honki.jpg
 ▽予防プログラム
 浜田さんが手掛けるのが「プリベンション(予防)プログラム」と名付けた歯周病のコントロール。最初の診療では、歯科衛生士と浜田さんによる問診やエックス線撮影、歯と歯茎の間の溝(歯周ポケット)の深さ測定、歯周病の原因菌の検査などを実施。
 菌が塊となって歯に付着するプラークを、顕微鏡で患者自身にも見せて除去の大切さを理解してもらう。その上で、ブラッシングの実技を指導する。ここまでで1時間ほどかかる。
 2回目は、初回の口内の写真と比較してブラッシングの効果を確認。歯間掃除用の細い糸(デンタルフロス)の使い方や食事面を指導する。以後、必要に応じて超音波による歯石の除去や抗菌薬の投与など、専門的処置も行う。
 歯周病の治療によって糖尿病を悪化させる炎症性物質が減り、血糖値のコントロールに良い影響をもたらす。重度の歯周病を治療すると、過去1~2カ月の平均的な血糖値を反映し、糖尿病管理の指標となるヘモグロビンA1cの値が改善したとの研究があるという。
 歯周病のケアは虫歯など通常の歯科治療より優先される場合も多い。「歯周病があると、金属やセラミックをかぶせても長持ちしないことが考えられる。インプラントも同様で、歯周病のケアで土台をしっかりさせることは、すべての治療の基礎だ」と、浜田さん。
 自らのケアと定期的な受診で口内の良好な状態を維持することが、糖尿病にも良い影響を与えると訴えている。(共同通信 江頭建彦)(2010/02/02)