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2010.02.09

大半は外来で治療 
伊藤病院の伊藤公一院長 
「甲状腺の病気」―(3)

  女性を中心に患者は500万人ともいわれ、珍しい病気ではないが、症状がさまざまでほかの病気と間違われやすいのが甲状腺疾患だ。国内有数の専門医療機関、伊藤病院 (東京都渋谷区)の伊藤公一院長に聞いた。

 ―さまざまな症状から甲状腺疾患と診断するには。
 「技術は進歩しており、いったん甲状腺の病気を疑えば、ほかの病気と鑑別して適切な診断を下すことができます。問診と首の触診に加え、バセドー病や橋本病(慢性甲状腺炎)では、血液中の甲状腺ホルモンや抗体を調べる検査が非常に重要になります。甲状腺ホルモンの量を測定して甲状腺の機能が亢進したり低下したりしていないかを調べるとともに、脳下垂体から分泌され、甲状腺ホルモンを調節する甲状腺刺激ホルモンの数値もチェックします」
 「自分の甲状腺を異物とみなしてつくられる抗体を調べる検査も同時にできるようになり、バセドー病や橋本病の重症度は一目瞭然です。5人に1人くらいで抗体が見つからない場合もありますが、甲状腺ホルモンの原料となるヨードがどれくらい取り込まれるかを調べる放射性ヨード検査をすれば分かります」
 ―画像診断などほかの検査は。
 「甲状腺の内部の状態を調べるための超音波検査や、細い注射針で組織を取り、顕微鏡で細胞を調べる検査もありますが、主な用途は甲状腺のしこりを調べることです。超音波は動脈硬化などを調べる頸動脈の検査でも使われることが増えており、これをきっかけに甲状腺の腫瘍が発見されるケースも出ています」
 ―主な治療法を。20100210onepoint.gif
 「バセドー病では甲状腺ホルモンの合成を抑える薬の投与が第一選択で、1カ月から数カ月で症状が治まる『寛解』に至りますが、再発率が高いのも事実です。副作用が出る場合などは、微量の放射性ヨードを含むカプセル剤を飲み、亢進した甲状腺の機能を改善するアイソトープ治療をします。治療後3~6カ月で効果が出ますが、逆に甲状腺機能が低下する場合もあります。薬を服用できず、アイソトープ治療も適用にならない人は、手術で甲状腺の大部分を取り除きます。いずれも一長一短があります」
 ―橋本病や腫瘍は。
 「橋本病の治療はシンプルで、不足している甲状腺ホルモンを補充する薬で多くは劇的に改善します。バセドー病も橋本病も、血液検査の結果などでこまめに薬の量を変えます。私の病院では甲状腺疾患の98%は外来で治療します」
 「腫瘍は、良性の場合には通常、ホルモン剤で状態をコントロールしますが、大きくなった場合や悪性の場合、判断が難しい場合は手術で切除します。良性腫瘍でしこりの中が液状になるのう胞には、エタノールを注入して患部を壊死させる治療も近年、効果を上げています」(共同通信 江頭建彦)(2010/02/09)