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医療新世紀
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2010.02.09

新薬開発費10年で1・4倍 
国内企業にアンケート

 日本の製薬会社が一つの薬を開発して厚生労働省の承認を受け、市場に出すまでの平均期間は約9年で、費用は484億円かかるとの推計を、日本製薬工業協会 の医薬産業政策研究所が業界へのアンケートに基づいてまとめた。約10年前の同研究所の調査と比べると、期間は2年ほど短くなったが、費用は1・4倍と大幅に増えていた。20100210navi.gif
 同研究所の八木崇主任研究員によると、開発費増加の背景にあるのが、臨床試験(治験)の大規模化の傾向。深刻な副作用がなく治療効果が期待できるというだけでなく、既存薬や他社の薬との違いを明確に示すことが製薬会社に求められ、治験に参加する患者らの人数が10年で2倍になった。これがコストを押し上げた最大の要因という。
 日本は欧米に比べ、患者に薬が届くまでに時間がかかり「ドラッグ・ラグ(時間差)」として問題になっている。この一因となる開発期間の長さは少し改善したといえそうだ。
 だが膨大な開発費が薬価に影響する可能性もあり、八木さんは「適正な価格で早く薬を届けるため、新たな創薬技術の開発に向けた企業努力や、国の審査や治験環境の整備など制度面での工夫がさらに必要だ」と話している。
 調査は2009年、国内資本の製薬会社38社にアンケート。00~08年に実施した新薬開発プロジェクトの内容について27社が回答した。開発戦略が他社に漏れるのを防ぐため、匿名化したデータを用いて集計した。
 国内で実施した計471件の新薬開発プロジェクトのデータが得られ、対象疾患は糖尿病などの消化器・代謝系が88件と最も多かった。がんや神経・精神疾患がそれぞれ50件前後と続いた。
 治験を終えて承認に至るのは全体の18%で、1990~99年を対象とした前回調査の13%から上昇。承認までの開発期間は9・2年で、前回の11・5年から短縮した。開発にかかる費用を経済情勢の違いを考慮して比べると、前回の350億円から484億円に増えたと推計。一つの新薬あたりの被験者数は600人から1191人に倍増していた。
 国内での開発とは別に、日本の製薬会社が米国など海外で行う新薬開発プロジェクトも増えている。海外メーカーと共同で大規模な治験を実施する例も含まれ、八木さんは「被験者数が多いため、開発費は国内よりかなり高額だ」と話す。