今週のニュース
2010.01.26
超音波でリウマチ早期診断
学会、検査手法標準化へ
炎症を客観的に把握
関節をくるむ滑膜に炎症が起き、進行すると関節の破壊に至る関節リウマチ。治療薬の急速な進歩で早期診断、治療の意義は一層高まっているが、炎症の程度を客観的に把握する手段として、日本リウマチ学会 は超音波(エコー)検査の手法の標準化に乗り出した。
▽判断分かれることも
関節リウマチは免疫の働きが狂い、自分自身を攻撃するようになったリンパ球が滑膜に流れ、炎症や痛みを起こす。滑膜の細胞は増殖、関節液も増え、進行すると骨の表面が削られたようになる「びらん」が起き関節が破壊される。合併症も肺などに見られる。
診断は関節の腫れや痛みを調べたり、血液検査やエックス線撮影を併用したりして行われるが、「患者が痛みや腫れを訴えても、炎症の程度の判断は医師によって分かれることが珍しくない」と、関節リウマチに詳しい小池隆夫・北海道大 第2内科教授。
エックス線では滑膜の炎症は分からない場合が多く、骨びらんもとらえられるのは進行してからだという。
関節リウマチの治療は、免疫を制御する抗リウマチ薬に加え、関節破壊の防止を狙うさまざまな生物学的製剤の普及で飛躍的に向上しており、「治療開始の必要性を判断したり、効果を判定したりするためにも、炎症をできるだけ正確に、客観的に評価する必要がある」(小池教授)。こうした背景で注目されているのが超音波だ。
▽血流をとらえる
札幌市西区にある北海道内科リウマチ科病院 (旧・西村病院)。谷村一秀院長らは5年ほど前から小池教授と協力。欧州の研究などを参考に超音波を積極的に取り入れ、毎月約100人の患者に行ってきた。
超音波は内臓や胎児の検査などさまざまな領域で活用されており、指や手首、肩など、検査する部位に当てる探触子(プローブ)という器具を取り換えるだけで、従来の装置が関節リウマチの検査でも使える。
炎症による関節の腫れや関節液の貯留、骨びらんなどは、内臓と同じ「Bモード」と呼ばれる方法で患部の状態をミリ単位で把握。さらに「パワードップラーエコー」という方法を使えば、炎症が強いほど増加する血流を検出できるという。
「関節液や骨びらんの状態は、コストはかかるが磁気共鳴画像装置(MRI)でも分かる。だが、血流をとらえることができるのは超音波だけの特長。関節破壊の進行も分かる」と、谷村院長。
▽専門委員会
超音波は被ばくや痛みなど検査による患者への負担がほとんどない半面、検査者によって画像の評価がばらつくなどの限界もある。このため谷村院長らは、特定の範囲内に血流がどの程度あるかを点数化する方法を考案。約20の関節を定期的に調べ、病気の進行の度合いや治療効果の判定に利用してきた。
こうしたデータも参考に、国内での超音波検査の標準的な方法を確立する必要性を検討してきた日本リウマチ学会 は1月、小池教授を委員長とする専門委員会を設置。プローブの当て方や画像の評価方法、装置による性能面の差をどう考慮するかなどについて、今年前半には結果をまとめる方針。
関節リウマチの活動性の評価では、医師が28の関節の腫れを診察し、痛みの訴えや血液検査の結果などと併せて数値化する指標がよく利用されている。小池教授は「こうした指標に超音波検査も利用していけば、より簡便で正確な診断ができるようになるだろう」と期待している。(共同通信 江頭建彦)(2010/1/26)
▽判断分かれることも
関節リウマチは免疫の働きが狂い、自分自身を攻撃するようになったリンパ球が滑膜に流れ、炎症や痛みを起こす。滑膜の細胞は増殖、関節液も増え、進行すると骨の表面が削られたようになる「びらん」が起き関節が破壊される。合併症も肺などに見られる。診断は関節の腫れや痛みを調べたり、血液検査やエックス線撮影を併用したりして行われるが、「患者が痛みや腫れを訴えても、炎症の程度の判断は医師によって分かれることが珍しくない」と、関節リウマチに詳しい小池隆夫・北海道大 第2内科教授。
エックス線では滑膜の炎症は分からない場合が多く、骨びらんもとらえられるのは進行してからだという。
関節リウマチの治療は、免疫を制御する抗リウマチ薬に加え、関節破壊の防止を狙うさまざまな生物学的製剤の普及で飛躍的に向上しており、「治療開始の必要性を判断したり、効果を判定したりするためにも、炎症をできるだけ正確に、客観的に評価する必要がある」(小池教授)。こうした背景で注目されているのが超音波だ。
▽血流をとらえる
札幌市西区にある北海道内科リウマチ科病院 (旧・西村病院)。谷村一秀院長らは5年ほど前から小池教授と協力。欧州の研究などを参考に超音波を積極的に取り入れ、毎月約100人の患者に行ってきた。
超音波は内臓や胎児の検査などさまざまな領域で活用されており、指や手首、肩など、検査する部位に当てる探触子(プローブ)という器具を取り換えるだけで、従来の装置が関節リウマチの検査でも使える。
炎症による関節の腫れや関節液の貯留、骨びらんなどは、内臓と同じ「Bモード」と呼ばれる方法で患部の状態をミリ単位で把握。さらに「パワードップラーエコー」という方法を使えば、炎症が強いほど増加する血流を検出できるという。

「関節液や骨びらんの状態は、コストはかかるが磁気共鳴画像装置(MRI)でも分かる。だが、血流をとらえることができるのは超音波だけの特長。関節破壊の進行も分かる」と、谷村院長。
▽専門委員会
超音波は被ばくや痛みなど検査による患者への負担がほとんどない半面、検査者によって画像の評価がばらつくなどの限界もある。このため谷村院長らは、特定の範囲内に血流がどの程度あるかを点数化する方法を考案。約20の関節を定期的に調べ、病気の進行の度合いや治療効果の判定に利用してきた。
こうしたデータも参考に、国内での超音波検査の標準的な方法を確立する必要性を検討してきた日本リウマチ学会 は1月、小池教授を委員長とする専門委員会を設置。プローブの当て方や画像の評価方法、装置による性能面の差をどう考慮するかなどについて、今年前半には結果をまとめる方針。

関節リウマチの活動性の評価では、医師が28の関節の腫れを診察し、痛みの訴えや血液検査の結果などと併せて数値化する指標がよく利用されている。小池教授は「こうした指標に超音波検査も利用していけば、より簡便で正確な診断ができるようになるだろう」と期待している。(共同通信 江頭建彦)(2010/1/26)


