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2009.12.01

「心臓突然死をゼロに―(3)」
胸骨を押しAEDを 
笠貫宏・日本医療学会常任幹事会議長

  いつ、どこで起こるか分からない心停止によって命を落とす心臓突然死。一人でも多くを救命しようと、国民に協力を呼び掛ける国民運動「心臓突然死ZERO!アクション」が展開されている。活動主体となっている日本医療学会 の笠貫宏・常任幹事会議長(東京女子医大名誉教授)に聞いた。

 ―急に倒れ、意識を失ったように見える人がいたらどうすればいいか。
 「まずは勇気を出して倒れた人に駆け寄ってください。大声で呼び掛けて意識の程度を確認するとともに、大きな声で叫び周囲の人に救急車を呼ぶよう頼みましょう。自分ひとりの場合はこの両方を行わなければなりません。そして、胸が上下して息をしているかも確認してください。意識がなく呼吸もない場合が心肺蘇生の対象になります。119番で指導も受けられます」
 「一般市民が行う蘇生はまず、心臓マッサージです。両手を重ねて左右の乳首の真ん中付近に置き、ひじを伸ばして真上から上半身の体重を乗せて1分間に100回くらいのペースで押してください。童歌の『あんたがたどこさ』をうたうようなペースです。人工呼吸もできれば良いですが、心臓マッサージの方が大事です」20091201onepoint.jpg
 ―胸骨の圧迫はなぜ重要なのか。動かさない方がいいと思う人もいるのでは。
 「心拍が止まり血流が途絶えることによるダメージを最も早く受ける、脳の保護が目的です。心臓の収縮の代わりに外からの力で血流を強制的に脳に送りこむのです。日本人は脳卒中が多いため、動かさない方がいいと思われがちですが、完全に意識がなく呼吸も止まっている場合は心拍停止と考えて、直ちに心臓マッサージが必要です」
 ―自動体外式除細動器(AED)の使用は。
 「心臓マッサージをしながら、周囲の人にAEDを探して運んできてもらえれば理想的です。AEDは重症の不整脈である心室細動が起きた心臓に電気ショックをかけ、拍動を正常に戻すための機器です。電源を入れて胸の2カ所に電極パッドを張り、音声の指示に従ってください。細動を自動的に感知して電気ショックの必要性を判断します。2004年に一般市民も使用できるようになりました」
 ―AEDの効果は。
 「心停止後、速やかに使えるかに左右されます。AED使用後の生存率は、心停止からAEDを使用するまでの時間が1分間増すごとに7~10%ずつ低下し、10分をすぎるとゼロに近くなります。AEDや救急隊の到着を待つ間に心臓マッサージができれば、生存率の低下を抑えることができるのです」(共同通信 江頭建彦)(2009/12/01)