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医療新世紀
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2009.12.01

副作用救済制度、浸透せず 
厚労省が活用呼び掛け

 新型インフルエンザワクチンの接種をめぐり、副作用被害の新しい救済制度が注目されているが、既存の「医薬品副作用被害救済制度」が医療現場にあまり浸透していないことが、制度を運営する医薬品医療機器総合機構 (PMDA)の調査で分かった。厚生労働省は、請求手続きや救済対象に関する情報提供を通じ、制度活用を呼び掛けている。20091201navi.gif
 制度は、薬を適正に使ったにもかかわらず生じた副作用被害を速やかに救済することが目的。1980年に創設された。
 製薬会社約750社が売り上げの一部を拠出する基金によって運営され、被害程度に応じて医療費や障害年金、遺族年金、遺族一時金などを給付。原因の薬を製造販売した企業が4分の1、残りを基金が負担する。
 厚労省によると、2007年度は718人に計約17億円、08年度は782人に約18億円が支払われ、これまでに約8千人が給付を受けた。請求も06年度が788件、07年度が908件、08年度は926件と増加傾向にある。ところが、PMDAが今年7月、医療従事者に行った調査では、回答した約3千4百人のうち、制度を知っているのは37%にとどまった。
 「『請求に必要な診断書などを作成すると、被害が適切でない医療行為によるものと認めることになる』と誤解し、作成をちゅうちょする医療従事者もいる」
 厚労省が10月に公表し、医療従事者に制度への協力を訴えた「医薬品医療機器等安全性情報」。制度に詳しいと思われる関係者ですら、理解が必ずしも十分でないことへのもどかしさがにじむ。
 この安全性情報では、胃の内視鏡検査のためホルモン剤を注射し、局所麻酔薬を口に含んだ直後に意識を失い死亡した70代の女性について、副作用のアナフィラキシーショックと認められて遺族年金や葬祭料が支払われた具体例などを紹介。
 医師の診断書、投薬証明書、受診証明書などが申請に必要なことのほか、メーカーなどの損害賠償責任が明確な場合や、明らかに不適切な使用の場合は給付対象とならないことも説明した。
 厚労省の担当者は「制度の認知度が足りず、救済が必要な人が漏れている可能性は否定できない。医師と患者がともに制度を知った上で、よくコミュニケーションを取って必要な請求をしてほしい」と話している。