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2009.12.01
乳がん超音波に新装置
自動でスキャン、画像保存
マンモ併用で精度向上
乳がん検診の画像診断で、マンモグラフィー(乳房エックス線撮影装置)とともに使われるのが超音波診断装置だ。マンモに比べ若い人のがんを見つけやすいなどの利点がある半面、結果が検査する人の経験や技量に左右され、検証も難しいといった限界も指摘されている。今年発売された新装置は、簡単な操作で乳房を自動的にスキャンし、画像情報全体を保存できる。必要に応じマンモと併用すれば、検診の精度が向上すると専門家は期待している。
▽早期発見
日本の乳がんでの死亡者は年間1万人を超え、特に30~64歳の女性では死因のトップ。予防法はないが「2センチ以下の大きさで、リンパ節転移のないⅠ期なら90%は治る」と、ウィミンズ・ウェルネス銀座クリニック (東京)の対馬ルリ子院長は早期発見の意義を強調する。だが、鍵を握る検診の受診率が1割余りにとどまっているという。
検診は通常、問診と視触診によるしこりのチェックのほか、マンモや超音波による画像診断が行われるが、対馬さんは年代や乳腺の状態、家族に乳がんになった人がいるかなどで最適な方法は変わると指摘する。
同クリニックでは20~30代前半には超音波が主体で、必要に応じてマンモを併用。30代後半以降では二つを併用する。家族歴がある場合は、家族の発病年齢の10歳手前から併用検査を勧める。
▽検査者の力量左右
マンモは、ごく早期の乳がんの場合がある「石灰化」を、小さなものでもとらえられるのが特長。だが、若い人は乳腺の密度が大きく、マンモではこの部分が白く見えてしまうため、同様に白く見える石灰化や腫瘤を見つけるのは難しい場合がある。年齢とともに乳腺は脂肪に変わり黒く見えるようになり、診断しやすくなるという。br /> 一方、石灰化の検出能力は劣るが、年齢に関係なく一様の画像が得られるのが超音波。中島康雄・聖マリアンナ医大 教授(放射線医学)は「脂肪は白く、腫瘤は黒く写るので、若い人でも見つけるのは比較的簡単。マンモでは診断できないがんが一目瞭然の場合もある」と話す。
超音波には被ばくの問題や、検査時に乳房が圧迫されることによる痛みもない。しかし、検査者が探触子(プローブ)という器具を乳房に当て、画像を見ながら動かして検査するため、結果は検査者の経験や技量に左右される。「検査者が必要と判断した情報だけを保存し、あとは破棄してしまうため、再現性にも乏しい」(中島教授)。
▽「読影」重要に
そこで開発されたのが「自動ボリュームスキャナー」。長さ約15センチのプローブがセットされた箱状の器具を、あおむけに寝た人の乳房の上にセットすると、プローブが自動的に約17センチ平行移動し、深さ約6センチまでのデータを取得、すべて保存する。時間は従来の3分の1から3分の2で済む。
通常の超音波で見られる断面以外に、乳房を正面からとらえた「冠状断面」も表示できるため、がんが周囲の組織に広がる浸潤の診断にも役立つとされる。
中島教授は「規格化した画像を保存でき、後から何度でも評価できる。今後はエックス線CTなどと同様、保存された画像からがんを見つけ、治療の必要性などを判断する『読影』が重要になる」と指摘。読影医の集中化や、コンピューターによる診断支援が進めば精度が向上していくと予想する。聖マリアンナ医大は世界の7施設による国際共同研究に参加し、新装置の有効性を評価していくという。(共同通信 江頭建彦)(2009/12/01)
▽早期発見
日本の乳がんでの死亡者は年間1万人を超え、特に30~64歳の女性では死因のトップ。予防法はないが「2センチ以下の大きさで、リンパ節転移のないⅠ期なら90%は治る」と、ウィミンズ・ウェルネス銀座クリニック (東京)の対馬ルリ子院長は早期発見の意義を強調する。だが、鍵を握る検診の受診率が1割余りにとどまっているという。
検診は通常、問診と視触診によるしこりのチェックのほか、マンモや超音波による画像診断が行われるが、対馬さんは年代や乳腺の状態、家族に乳がんになった人がいるかなどで最適な方法は変わると指摘する。
同クリニックでは20~30代前半には超音波が主体で、必要に応じてマンモを併用。30代後半以降では二つを併用する。家族歴がある場合は、家族の発病年齢の10歳手前から併用検査を勧める。

▽検査者の力量左右
マンモは、ごく早期の乳がんの場合がある「石灰化」を、小さなものでもとらえられるのが特長。だが、若い人は乳腺の密度が大きく、マンモではこの部分が白く見えてしまうため、同様に白く見える石灰化や腫瘤を見つけるのは難しい場合がある。年齢とともに乳腺は脂肪に変わり黒く見えるようになり、診断しやすくなるという。br /> 一方、石灰化の検出能力は劣るが、年齢に関係なく一様の画像が得られるのが超音波。中島康雄・聖マリアンナ医大 教授(放射線医学)は「脂肪は白く、腫瘤は黒く写るので、若い人でも見つけるのは比較的簡単。マンモでは診断できないがんが一目瞭然の場合もある」と話す。
超音波には被ばくの問題や、検査時に乳房が圧迫されることによる痛みもない。しかし、検査者が探触子(プローブ)という器具を乳房に当て、画像を見ながら動かして検査するため、結果は検査者の経験や技量に左右される。「検査者が必要と判断した情報だけを保存し、あとは破棄してしまうため、再現性にも乏しい」(中島教授)。
▽「読影」重要に
そこで開発されたのが「自動ボリュームスキャナー」。長さ約15センチのプローブがセットされた箱状の器具を、あおむけに寝た人の乳房の上にセットすると、プローブが自動的に約17センチ平行移動し、深さ約6センチまでのデータを取得、すべて保存する。時間は従来の3分の1から3分の2で済む。

通常の超音波で見られる断面以外に、乳房を正面からとらえた「冠状断面」も表示できるため、がんが周囲の組織に広がる浸潤の診断にも役立つとされる。
中島教授は「規格化した画像を保存でき、後から何度でも評価できる。今後はエックス線CTなどと同様、保存された画像からがんを見つけ、治療の必要性などを判断する『読影』が重要になる」と指摘。読影医の集中化や、コンピューターによる診断支援が進めば精度が向上していくと予想する。聖マリアンナ医大は世界の7施設による国際共同研究に参加し、新装置の有効性を評価していくという。(共同通信 江頭建彦)(2009/12/01)


