47NEWS >  共同ニュース >  医療・健康  >  医療新世紀 >  脊髄損傷者を元の学校に 神奈川リハ病院が支援
医療新世紀
からだ・こころナビ
2009.11.24

脊髄損傷者を元の学校に 
神奈川リハ病院が支援

 事故で脊髄を損傷し、体にまひが残ったとしても、できるだけ元の学校に戻ってほしい―。神奈川リハビリテーション病院 (厚木市)は1973年の開設以来、積極的な復学支援に当たっている。復学先の環境整備が課題になるが「今後の生活イメージがわかない子どもや家族にとって、復学は最初の目標になり、達成すれば自信にもなる」としている。
 脊髄は、背骨に沿って脳から続いている中枢神経で、傷めると手や足にまひが残る。国内の脊髄損傷者は約10万人、新たな患者は毎年約5千人とのデータがある。20091124navi.gif
 同病院が受け入れている新規の脊髄損傷患者は、大人を含めて年間80~100人。うち復学を目指す生徒は年間3~4人で、多い年は10人を超える。原因はプールでの飛び込みや陸上競技、スキーといったスポーツ中の事故や、バイクでの交通事故などだ。
 同病院では、受傷した生徒や家族に、元の学校の同じクラスへの復帰を勧め、意思が確認できれば復学に向けた訓練を優先する。まひの治療やリハビリの終了、自宅の改造や引っ越しを待っていては時間がかかり、タイミングを逃す恐れがあるからだ。意向は、学校にも早く伝える。
 リハビリテーション科の伊藤良介部長は「慣れた先生や友達がいる方が戻りやすい。思い切って復学してもらい、必要に応じて通院してもらう」と説明する。
 校内環境では、車いすで使えるトイレや、エレベーターの有無、移動の障害となる段差などが問題になる。自律神経が遮断され体温が調節できない生徒ではエアコンも必要になるため、学校を訪問しこれらをチェック、整備を求めている。20091124navi.jpg
 教諭らには介助法を習得してもらい、生徒が脊髄損傷のことを理解する場を設けてもらう。復学する生徒ごとに、体の状態や介助法をイラスト付きで解説したパンフレットを作り、学校に渡すこともある。
 復学に向けた訓練はさまざまだ。脊髄を損傷すると、排便や排尿が自分でコントロールできないことが多いため、処理の仕方を覚える。車いすの使用だけでなく、授業に備えて筆記やパソコン操作にも慣れる。
 伊藤部長は「復学は、社会復帰の第一歩になるが、脊髄損傷者を受け入れリハビリを行う病院は依然少ない。学校のバリアフリー化も、地域によって差があるのが実情だ」と指摘している。