今週のニュース
2009.10.06
帯状疱疹、10年で26%増加
60歳以上の女性で顕著
宮崎県で大規模疫学調査
主に子どものころにかかる水痘(水ぼうそう)のウイルスが原因で発症し、皮膚症状や強い痛みが現れるほか、後遺症で痛みが長期間続くこともある帯状疱疹。この病気の発症率が2006年までの10年間で26%増加し、60歳以上の女性で顕著だったなどとする宮崎県での大規模疫学調査の結果がまとまった。
▽やっかいな後遺症
帯状疱疹を引き起こすのは、人では8種類見つかっているヘルペスウイルスの一つ、水痘・帯状疱疹ウイルス(VZV)。白木公康・富山大 教授(ウイルス学)によると、水痘は例年12月から翌年1月を中心に流行し、5歳以前に90%が発症する。症状が治った後もVZVは顔面の三叉神経や脊髄神経の神経節内に潜伏する。
その後、加齢やストレス、過労などの影響で免疫力が低下した際にVZVが再び活性化し、神経を伝わって皮膚に到達、発症するのが帯状疱疹。一般に、体の左右どちらかの神経に沿って帯状に現れ、赤い斑点から水疱(水ぶくれ)、ただれ、かさぶたへと進む。
痛みについて白木教授は「急性期には神経の炎症と皮膚の炎症の両方によるものがある。皮膚の炎症が治った後でも、神経の変性によって続くことがある」と説明する。これが帯状疱疹後神経痛というやっかいな後遺症で、数年に及ぶケースもある。
▽10代と70代にヤマ
疫学調査を行ったのは、外山望・外山皮膚科(宮崎県日南市)院長ら宮崎県皮膚科医会の会員と白木教授ら。県内の皮膚科開業医と大学病院、総合病院計46施設で、1997年から06年までに帯状疱疹と診断された約4万8千人のデータを解析した。この病気でこれだけの規模の調査は過去に例がないという。
外山さんによると、10年間に県内の人口は約2万8千人減ったが、診断された帯状疱疹の患者数は23%増えた。累計での発症率(千人当たりの患者数、以下同)は4・15で、10年間で26%増加。年代別では10代に小さなヤマがあった後、30代まで減るが、50代以降は急激に増加し、70代が7・84とピークだった。
患者は生後3カ月から102歳まで。10歳未満でも発症率は2・45で、小児でもまれではないとしている。こうした傾向は10年間で変わらなかった。
帯状疱疹の月別の患者数を見ると、8月が最多で冬場は大きく減少。水痘の流行と逆の関係が見られ、水痘患者に接触する機会が増えると帯状疱疹の発症率は減るとする過去の研究を裏付けた。
30代の発症率が最も低い点についても同じことが言えるという。「この年代は水痘の子どもと接する機会が多く、自身が小さいときに水痘にかかって獲得した免疫に、追加免疫の効果が働くのではないか」と外山さん。
▽抗ウイルス薬で
女性の発症率は男性に比べ平均25%高く、年代別では50代を中心に40代から60代にかけて女性の方が男性を大きく上回った。97年と06年の発症率を比較しても、60代から80代までの女性で増加が著しく、全体の発症率増加の主要因になっていた。
帯状疱疹後神経痛は50代以上の人に多く、ペインクリニックなどでの治療が必要になることもあるという。研究グループは、早い段階で帯状疱疹に気付き、抗ヘルペスウイルス薬による治療を受ける重要性を強調する。
白木教授は「薬は重症化を防ぐが、いったん水疱になってしまった部分には効きにくい。皮膚症状に先行して現れるピリピリとした痛みなどを覚えたら受診するべきだということを知っておいてほしい」と話している。(共同通信 江頭建彦)(2009/10/06)
▽やっかいな後遺症
帯状疱疹を引き起こすのは、人では8種類見つかっているヘルペスウイルスの一つ、水痘・帯状疱疹ウイルス(VZV)。白木公康・富山大 教授(ウイルス学)によると、水痘は例年12月から翌年1月を中心に流行し、5歳以前に90%が発症する。症状が治った後もVZVは顔面の三叉神経や脊髄神経の神経節内に潜伏する。
その後、加齢やストレス、過労などの影響で免疫力が低下した際にVZVが再び活性化し、神経を伝わって皮膚に到達、発症するのが帯状疱疹。一般に、体の左右どちらかの神経に沿って帯状に現れ、赤い斑点から水疱(水ぶくれ)、ただれ、かさぶたへと進む。
痛みについて白木教授は「急性期には神経の炎症と皮膚の炎症の両方によるものがある。皮膚の炎症が治った後でも、神経の変性によって続くことがある」と説明する。これが帯状疱疹後神経痛というやっかいな後遺症で、数年に及ぶケースもある。

▽10代と70代にヤマ
疫学調査を行ったのは、外山望・外山皮膚科(宮崎県日南市)院長ら宮崎県皮膚科医会の会員と白木教授ら。県内の皮膚科開業医と大学病院、総合病院計46施設で、1997年から06年までに帯状疱疹と診断された約4万8千人のデータを解析した。この病気でこれだけの規模の調査は過去に例がないという。
外山さんによると、10年間に県内の人口は約2万8千人減ったが、診断された帯状疱疹の患者数は23%増えた。累計での発症率(千人当たりの患者数、以下同)は4・15で、10年間で26%増加。年代別では10代に小さなヤマがあった後、30代まで減るが、50代以降は急激に増加し、70代が7・84とピークだった。
患者は生後3カ月から102歳まで。10歳未満でも発症率は2・45で、小児でもまれではないとしている。こうした傾向は10年間で変わらなかった。
帯状疱疹の月別の患者数を見ると、8月が最多で冬場は大きく減少。水痘の流行と逆の関係が見られ、水痘患者に接触する機会が増えると帯状疱疹の発症率は減るとする過去の研究を裏付けた。
30代の発症率が最も低い点についても同じことが言えるという。「この年代は水痘の子どもと接する機会が多く、自身が小さいときに水痘にかかって獲得した免疫に、追加免疫の効果が働くのではないか」と外山さん。
▽抗ウイルス薬で
女性の発症率は男性に比べ平均25%高く、年代別では50代を中心に40代から60代にかけて女性の方が男性を大きく上回った。97年と06年の発症率を比較しても、60代から80代までの女性で増加が著しく、全体の発症率増加の主要因になっていた。
帯状疱疹後神経痛は50代以上の人に多く、ペインクリニックなどでの治療が必要になることもあるという。研究グループは、早い段階で帯状疱疹に気付き、抗ヘルペスウイルス薬による治療を受ける重要性を強調する。
白木教授は「薬は重症化を防ぐが、いったん水疱になってしまった部分には効きにくい。皮膚症状に先行して現れるピリピリとした痛みなどを覚えたら受診するべきだということを知っておいてほしい」と話している。(共同通信 江頭建彦)(2009/10/06)


