47NEWS >  共同ニュース >  医療・健康  >  医療新世紀 >  「歯の矯正 -1」 健やかに暮らすスタート 茂木悦子准教授
医療新世紀
健康ワンポイント
カテゴリー以外のニュースがご覧頂けます。
2009.09.22

「歯の矯正 -1」
健やかに暮らすスタート 
茂木悦子准教授

 歯列の矯正は、かみ合わせや見た目の美しさのためだけでなく、歯の健康を保つ上でも重要だ。茂木悦子・東京歯科大准教授(歯科矯正学)に実際の治療も含め聞いた。
 ―歯の矯正にはどのような意義があるのか。
 「80歳で自分の歯を20本残そうという8020運動は多くの人に知られていますね。最近の調査によると、達成できている人はこの20年間で8%から20%に増加しました。われわれが8020を達成した約300人を調べたところ、ほぼ全員に共通していたのが、かみ合わせが良かったということです。かみ合わせに異常がある『不正咬合』のうち、下の前歯が上の前歯より前に出る、あるいは、前歯がかみ合わないなどは、達成者ではゼロに等しかったのです」
 ―かみ合わせが歯の長持ちと関連する? 090922onepoint.jpg
 「かみ合わせが良いことは、歯を高齢まで残すことの条件の一つではないかと考えています。8020の人はさらに、歯全体でバランス良くかむ力があり、ピーナツやせんべい、フランスパンなど何でも食べられると答えます」
 「一方、不正咬合のある人はこうしたものが食べにくいと口をそろえます。『かみにくい物はない』と答える若い人でも実際のかみ合わせが悪い場合、かむ力を測定すると8020のお年寄りより弱い場合があります。歯が多数、バランス良く維持できていれば、かむ力は加齢の影響を受けにくいのでしょう」
 ―かみ合わせの良い人は、歯だけでなくあご全体もしっかりしているということか。
 「その通りです。あごの骨が歯を守り、歯の存在があごを守っているのです。しっかりかむことができる人はあごの骨がしっかりしています。高齢でも元気の良い人が多く、笑顔も若々しいのです。かみ合わせを良くして歯を残し、かむ力も強い状態を維持することが重要だと思います」 090922onepoint2.jpg
 ―矯正は見た目を良くするための治療と思われがちでは。
 「美しい口元はもちろん重要ですが、それだけが目的ではありません。よくかめて、手入れもしやすい歯を手に入れることは、健やかに暮らすためのスタートともいえます」
 × × ×
 もてぎ・えつこ 東京歯科大卒、同大学院修了。歯学博士。同大准教授。日本矯正歯科学会認定医、指導医、専門医。茨城県出身。(共同通信 江頭建彦)(2009/09/22)