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2009.09.01

「新型インフルエンザ-3」
重症化しやすい人は
安井良則主任研究官

 世界中に広がり続ける新型インフルエンザ。国内発生当初、大阪府内での疫学調査などに当たった国立感染症研究所感染症情報センター の安井良則主任研究官に、実態や、秋以降に予想される大流行への備えを聞いた。
090901onepoint.jpg ―新型インフルエンザで重症化しやすい人は。
 「大半の健常者にとっては、通常のインフルエンザとほぼ同じだと考えられる。高齢者や乳幼児、肝障害や心疾患、呼吸不全、糖尿病、腎不全などの慢性疾患がある人、免疫が低下している人のほか、がん患者らで重症化のリスクが高いとされている」
 「米国では肥満の人で重症化のリスクが高いとの報告があり、注目されている。米疾病対策センター(CDC)の報告によると、ミシガン州の医療施設で治療を受けた21~53歳の重症患者10人のうち、9人は体格指数(BMI)が30を超え肥満だった。さらに、9人のうち7人は40を超える極度の肥満だった。ただ、日本には米国より肥満の人は少ないので、そのまま当てはまるかどうかは分からない」
 ―妊婦はどうか。
 「全妊娠期間で注意が必要だ。特に妊娠後期では死産や流産のリスクも高まる。流行時にはなるべく外に出ないようにして、人からの感染の機会を極力減らすことが重要になるだろう」
 ―腎不全の患者は血液透析を受けている人が多い。
 「患者は透析施設で、隣と近接したベッドに数時間いなければならず、インフルエンザの患者がいた場合は容易に感染が広がりやすい。感染者とほかの透析患者が接触しないような措置を取る必要がある」
 ―国内では脳症の報告が相次いでいる。
 「インフルエンザ脳症は、インフルエンザに感染した乳幼児が突然、けいれんや意識障害を起こし、状態が急速に進行する重篤な疾患だ。国内では年間100人程度が発病しているとの厚生労働省研究班の報告がある。近年、治療法が確立されつつあり、以前に比べ死亡率は下がってきたが、それでも10~15%と高い。新型インフルエンザでも脳症は起きるため、意識障害などがみられた場合は早い段階から脳症を疑って治療するべきだ」
 ―肺炎への注意は。
 「通常のインフルエンザで肺炎になる場合は、細菌による二次感染が大半だが、新型の場合はウイルスそのものが肺炎を引き起こすウイルス性肺炎が海外で報告されている。急速に進行し、重症化する『急性呼吸窮迫症候群(ARDS)』の報告もある」(共同通信 山本峰次)(2009/09/01)