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医療新世紀
からだ・こころナビ
2009.08.04

組織型に応じた治療に期待
肺がん新薬が承認

 がんの部位別では死亡者数が最も多い肺がん。がん細胞の形態(組織型)から四つに分類されるが、最も多い腺がんを含めた「非扁平上皮がん」に対し、これまでの薬より有効だとされた抗がん剤が承認された。専門家は「組織型と患者の状態に応じて薬を選択できる時代になる」と期待している。
090804navi.jpg 肺がんの死亡者数は、男性で1993年に胃がんを上回って1位になり、2007年の1年間に約4万8千人。女性も同年に約1万8千人が亡くなり、上昇傾向が続いている。男女の合計では部位別で1位。
 腫瘍内科が専門で近畿大医学部堺病院 (堺市)顧問の福岡正博医師によると、組織型別では、がん細胞が丸くて小さい小細胞がんが全体の15%ほど。これ以外の非小細胞がんは、肺の中央部に多い扁平上皮がんと、周辺部に多い非扁平上皮がんとに分けられる。肺がんの約60%を占め最も頻度が高い腺がんも、この中に含まれる。
 「しつこいせきや胸の痛み、たんといった肺がんの症状は、早期の段階で現れるケースは少ない。特に腺がんは、末期にならないと症状が出ない」と、福岡さん。進歩しているCT(コンピューター断層撮影)などの画像診断を利用し、できるだけ早期に発見することが重要だと指摘する。
 切除ができない進行・再発の非小細胞がんの治療薬として5月に承認された注射剤の「ペメトレキセドナトリウム水和物」(製品名アリムタ)は、がん細胞の増殖に不可欠なビタミンである葉酸の代謝酵素を阻害する働きがある。悪性胸膜中皮腫にも07年に承認されている。
 福岡さんが注目するのは、白金製剤と呼ばれる抗がん剤とこの薬との併用。非小細胞がんの患者に対する大規模な臨床試験の結果、白金製剤のシスプラチンとペメトレキセドの併用は、シスプラチンと「ゲムシタビン塩酸塩」という別の抗がん剤を併用する従来の治療に劣らないことが確認された。
 さらに、非小細胞がんの中でも非扁平上皮がんに対する効果を見たところ、シスプラチンとゲムシタビンの併用より、シスプラチンとペメトレキセドの併用の方が、患者の生存期間が有意に長かった。
 福岡さんは「将来はこの併用が治療指針にも反映されていくのではないか」と話している。(2009/08/04)