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2009.06.22

特編OTC1
副作用リスクで3分類
専門職から対面販売で購入

  医師の処方せんなしに薬局やドラッグストアで購入できる一般用医薬品(大衆薬)が、副作用のリスクに応じて3分類され、薬剤師や新資格の「登録販売者」から客への情報提供が原則義務付けられるなど、この6月から販売のルールが大きく変わった。
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 6月から施行された改正薬事法では、副作用リスクに応じて3分類された大衆薬が混在しないように陳列することも求められている。東京23区に約120店舗を展開するドラッグストア「ぱぱす」横川店(東京都墨田区)では、5月上旬に薬の入れ替えを始めた。
 
▽カウンター奥に
  H2ブロッカーを含む胃腸薬や一部の養毛剤など、リスクの高い「第1類医薬品」は客の手が届かないカウンター奥に置き、原則として薬剤師が説明した上で客に手渡す。まれに健康被害が起きる恐れのある風邪薬や鎮痛剤などの第2類、ビタミン剤や整腸剤などの第3類は混在しないように陳列しなければならない。分類表示がない外箱には、膨大な手引を参考に店でシールを張った。
 従来、ブランドごとに並べていたドリンク剤などは有効成分の量などで同一ブランドでも第2、第3類、医薬部外品があるケースも。横川店の店長は「分かりやすい陳列を心掛けたが、お客さまにどこまで理解してもらえるか」と気をもんだ。
 
▽新規参入
 従来の薬事法には大衆薬の販売に関する規定がなく、薬剤師の不在時に無資格の従業員が販売しても黙認され、薬害被害者団体などから販売ルールの明確化を求める声が上がっていた。
 改正薬事法は専門職による対面販売が原則。第1類は薬剤師が服用する際の注意点などを書面で説明する。薬剤師が足りずに第1類の取り扱いをやめた店舗もある。
 第2類の情報提供は努力義務で、新設資格の「登録販売者」も対応できるようにした。求めがあれば、第3類も含めて相談に応じなければいけない。このため、インターネットなどによる通信販売を原則認めず、業者の反発を招いた。
 登録販売者は、1年の実務経験を経て都道府県が実施する試験に合格すれば大衆薬全体の9割を超える第2、第3類を扱える。このため、スーパーやコンビニ、家電量販店を中心に、登録販売者を配置して大衆薬を扱う店舗を増やすなど新規参入の動きが目立つ。
 改正に対する消費者の事前の関心は高くなかったが、始まってみれば「症状に合った薬を専門家に選んでもらえるのがいいと思う」(68歳の自営業の女性)などと評判は悪くない。
 
▽車の両輪
 横川店の薬剤師・島田清吉さん(70)は「説明用の書類を用意しているが、時間がなかったり使い慣れた薬だったりで面倒くさがるお客さまもいる。説明を工夫して用法、用量を守るように念を押したい」と話す。
 薬剤師は丈の長い白衣、登録販売者は短い白衣など、専門職は資格の違いが一目で分かる服装をして、名札を付けなければならない。改正薬事法では、専門職がいない時間帯には売り場を閉鎖するなど厳密な売り場管理も求めている。
 高齢化に伴い増え続けている医療費抑制のため、国は公的医療保険の対象になる医療用医薬品から、全額利用者負担の大衆薬への転用を促進する方針。欧州などに比べて大衆薬の割合が低い日本でも、今後第1類の増加が見込まれており、販売体制強化は不可欠だった。
 日本薬剤師会も「医療用医薬品から転用された大衆薬と調剤は、(薬局経営の)車の両輪」としており、力を入れていく。病院に行くほどではない体調不良はかかりつけ薬剤師などに相談の上、大衆薬で治す。そんな"セルフメディケーション"の時代が日本でもすぐ近くまで来ている。(共同通信 田中貴子) (2009/06/16)