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子育てさがし 共同通信がママ・パパ・家族をつづった子育て物語です。

編集者の高祖常子さん

子育てを楽しむヒントに 無料育児誌「miku」編集長

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      高祖常子さん

 首都圏を中心に、産科、小児科の待合室などに設置された専用ラックで無料配布される育児のフリーマガジン「miku(ミク)」。年4回発行の季刊誌だが、妊娠中から未就学児までを対象にした遊びのヒントや親子でできる料理のレシピなど、子育てに役立つ情報が読者に好評だ。編集長の高祖常子さん(50)は「多くのママ・パパに気軽に手に取り、肩の力を抜いて子育てを楽しむきっかけにしてほしい」と願っている。

 ▽気軽に届く育児情報を
 長男(20)を筆頭に3児の母。子育てをしながら、フリーライターとして、大手出版社が発行する有料育児誌などに執筆してきたが、雑誌やインターネットから得られる育児情報が増える一方で、地域で孤立しがちな親たちの姿が気に掛かっていた。
 「情報に振り回されて『あれもしなきゃ、これもできていない』とプレッシャーを感じる親と、自ら積極的には情報を取りに行かず、必要な情報も届かない親に二極化していると感じました。わたしが新米ママだった20年前は、公園で子どもを遊ばせながらのおしゃべりを通じて、自然に育児のアドバイスやヒントを教えてもらうことが多かった。今は、そうした場が少なくなっているように思います」

 そんな気軽な情報交換の場をインターネット上でも再現しようと、2000年にポータルサイト「こそだて」を開設。その5年後、創刊したばかりのmikuの編集長に招かれた。広告収入を元に制作、配布されるフリーマガジンは当時、発行が相次いでいたが、育児関連は少なく、特に、幼稚園入園前を対象にしたものは珍しかった。
 「主な配布場所が産科、小児科なので、妊娠中、子育て中の人に自然に手に取ってもらえる。無料ということもあり、生活の中で、お仕着せではない育児情報を届けられる理想的な媒体だと思い、喜んで引き受けました」

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写真もふんだんに使ったmikuの誌面(今年の春号、夏号より)
 mikuのモットーは、子育てを楽しむためのヒントを提供することだ。  「上から目線のマニュアルではなく、春号の『散歩』特集のように、日々の生活の中で誰でも気軽にできることを提案するようにしています。一方で、予防接種や事故予防など、子どもの健康や安全のために必要な最低限の情報を伝えるページも設けています」

 巻頭特集を除くすべての記事を見開きの読み切りとするなど、誌面づくりにも気をつかう。
 「じっくり読む暇がないママ・パパも多いので、拾い読みでも楽しめる工夫をしています。『読んでいて肩の力が抜けました』という読者からの反応が一番嬉しいです」

 ▽廃刊の危機を超えて
 今春で創刊5年を迎えたmikuだが、昨年末には、廃刊の危機にあった。発行元の事業再編のあおりで、miku事業が切り離されることになったのだ。結局、高祖さんの夫が社長を務め、「こそだて」の運営会社でもあるコンサル会社が事業を譲り受け、発行を続けることになった。
 「事業の引き受け先を探していた際、夫が『いい雑誌だからうちで続けよう』と言ってくれました。小さい会社なので、思いがけず、編集だけではなく営業活動もする立場になりましたが、小児科の先生の紹介で配布場所が全国に広がったり、大手のショッピングモールや住宅関連のショールームにラックが設置されたり、支援の広がりを実感できるのが嬉しいです。楽しみにしてくれる読者のためにも、できる限り、発行は続けるつもりです」

 執筆、編集の傍ら、行政の委託を受けて子どもを預かるファミリーサポートや子育てアドバイザーの活動など、地域の子育て支援も担ってきた。ここ数年は、児童虐待防止を目指す「オレンジリボン」運動や、父親の育児参加を応援するNPO法人「ファザーリング・ジャパン」の活動にも参加する。
 「子育て中のママ・パパが必要としているのは、共感し、認めてもらうことだと思います。mikuでも、そんな等身大の情報を提供していきたいです」

 mikuの配布場所は現在、全国約1700カ所。秋号は9月中旬に12万8000部を発行予定だ。




高祖常子(こうそ・ときこ)さん の略歴

 1960年、東京都生まれ。81年、リクルート入社。出産を機に退職し、フリーのライター、エディターとして活動。2005年、miku編集長に就任。08年からNPO法人児童虐待防止全国ネットワーク「オレンジリボン」理事。


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