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「くらしEYE」のコーナーは、共同通信社生活報道部が毎週末、新聞用に出稿している「暮らしアイ」と「暮らしコンパス」「そもそも解説」を47NEWS向けに再構成したものです。

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DIYで好みの住まいに 改装できる賃貸が増加 

「あをば荘」1階の企画スペースで読書する佐藤史治さん

「あをば荘」1階の企画スペースで読書する佐藤史治さん

お仕着せのデザインではなく、自分好みの部屋で暮らしたい―。そんな要望の高まりとともに、借り主が改装できる賃貸物件が増えている。「DIY型賃貸借」と呼ばれ、貸主、借り主双方の経済的負担が小さい利点も。国は空き家対策に有効とみている。改装方法を学ぶ教室も開かれ、ブームを後押ししている。
 東京都墨田区の木造アパート。ブロックを敷き詰めた部屋に、なぜか水道の蛇口が付いた石柱がある。美術品の展示や演劇をする企画スペース「あをば荘」だ。
 階段を上がった2階は住居。展覧会の企画をする佐藤史治さん(26)は、2012年7月から友人と2人で暮らす。美術や演劇の仲間と企画スペースを使い「商売ではなく、自分たちの楽しみ」という。
 築48年。水道は以前に和菓子店があった名残で、佐藤さんらが借りる前は15年間空き家だった。自分で補修するのを条件に、提示より3万円安い月7万円で契約した。
 壁に棚を作り2階を洋室に変え、材料費は約10万円。建築に詳しい先輩や近所の人も手伝った。東京スカイツリーや浅草に近いアパートには、外国人に日本を紹介するNPOや雑貨店も入居し、佐藤さんは「一緒にイベントをしたい」と話す。
 国土交通省は昨年3月、DIY型賃貸借のガイドラインを作成した。貸主は現状のまま住まいを貸し、借り主が自費で改修する分、賃料を安くできる内容。空き家が全国に約820万戸あり(13年)、活用手段として期待されている。
 リクルート住まいカンパニーの住宅情報サイト「SUUMO」によると、自分で改装するDIYや、入居前に壁紙などを選べるカスタマイズが可能な賃貸物件の掲載数は、13年1月の約300件から急激に増え、14年7月に3万件を突破した。
 SUUMOの池本洋一編集長は「自費でも改装したいという人が9割との調査結果がある一方で、方法を知らない人が多い。きっかけを提供する場が増えればブームが加速する」と指摘する。
 需要に応える動きもある。大工道具や資材を販売する「大都」(大阪市)は、昨年10月から今年3月までの毎週土曜日に、天井や床、壁の張り替え方法を学べる教室を府内で開催。同社の山田岳人社長は「服や食べ物と同様に、住まいでも好きなものにこだわる人が増えた」と感じている。
 教室に通う堺市の木内秀信さん(44)は、自称“DIY大家”。アパート経営の傍ら、1月に古い一戸建てを購入し、若い世代が暮らしやすいように和室をフローリングに改装中だ。
 「業者に頼む場合と比べ、コストは10分の1程度で済む。その分家賃を安くして貸したい」と話す木内さん。イメージを形にする面白さにはまっていて「自分の提案を受け入れてもらえたらうれしい」と語った。

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