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「くらしEYE」のコーナーは、共同通信社生活報道部が毎週末、新聞用に出稿している「暮らしアイ」と「暮らしコンパス」「そもそも解説」を47NEWS向けに再構成したものです。

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【有効求人倍率】高倍率ほど就職しやすく  人手不足で22年ぶり高水準

有効求人倍率の推移

有効求人倍率の推移

 有効求人倍率は、完全失業率と並んで雇用情勢を判断する重要な指標です。どのような数字で、何を表すのでしょうか。

 ―厚生労働省が毎月発表する有効求人倍率とは、どんな数字ですか。
 仕事を探している人1人に対し、企業の求人が何件あるかを示す数字です。倍率で表し、例えば10人の求職者に対し、企業の求人が9件あると「0・9倍」になります。1倍を超えると求職者より求人の方が多いことになり、倍率が高いほど就職しやすい環境といえます。ただ、厚労省が発表するのはハローワークで受け付けた求人、求職に基づくデータで、民間の求人・転職サイトなどの数字は含みません。
 ―「有効」という言葉の意味は。
 ある月に新たに受け付けた求職者と求人数の比率を示す「新規求人倍率」と区別するために付けられています。その月の新しい求人、求職だけでなく、前月以前に受け付けて募集などが続いている求人、求職者も含めて計算したのが有効求人倍率です。景気動向を反映する代表的な指標と言われ、景気が良くなると有効求人倍率が上昇します。
 ―最新の数字は。
 5月の有効求人倍率は1・09倍で、1992年6月以来、21年11カ月ぶりの高水準になりました。少子化や団塊世代の引退などで働き盛りの世代の人が減っているうえ、景気の回復で建設や小売り、運輸などの産業で人手不足感が強まり、企業の求人が増えているからです。比較可能な63年以降でみると、最も高かったのは73年11月の1・93倍で、最低はリーマン・ショック後の2009年8月の0・42倍です。バブル景気の時では、90年7月に1・46倍まで上がりました。
 ここで示した倍率は、季節調整値という数字です。季節的な変動を除いたもので、雇用情勢をより正確に判断できるという利点があります。
 ―倍率が1倍を超える環境なら、すぐ就職できますか。
 必ずしもそうとは限りません。求人が多くてもその内容が職探し中の人が希望する賃金や職種、勤務地などと合わないと、就職が進まないこともあります。これは「雇用のミスマッチ」と呼ばれます。有効求人倍率が上がっても、失業率の改善が進まない状態がしばしば見られます。
 ―職業によって、倍率は違うのですか。
 はい。5月の職業別でみると、建設・土木と接客業が2・5倍前後、介護は約2倍と、いずれも1倍を大きく上回っています。仕事が大変だったり、賃金が比較的低かったりする仕事は希望する人が少なく、人手不足が深刻です。これに対し、一般事務は0・2倍、工場の生産ラインに当たる機械組み立ては0・4倍で、職探し中の人にとって「狭き門」となっています。
 働き方でみると、パートの求人倍率が1倍を超えているのに対し、正社員は0・6倍台にとどまっており、求人は依然として非正規の仕事が多いのです。(増田健二)

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