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「くらしEYE」のコーナーは、共同通信社生活報道部が毎週末、新聞用に出稿している「暮らしアイ」と「暮らしコンパス」「そもそも解説」を47NEWS向けに再構成したものです。

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【生涯未婚率】2030年には男性3割に 少子化進む要因

 新政権を担う自民党は、教育や福祉で「家族」の力を重んじる考えです。でも今は、結婚しない人も増えていますよね。この傾向は続くのでしょうか?

 ―最近は、独身もライフスタイルの一つとして市民権を得ていますね。

 はい。50歳時点で一度も結婚していない人の割合を「生涯未婚率」といいますが、2010年は男性20%、女性11%でした。1985年には男女とも4%だったことを考えると、大きな社会の変化ですね。

 この傾向が続けば、30年には男性が30%、女性は23%に達する見込みです(08年推計)。

 ―今の高校生が30代半ばになるころだ。原因は何なんだろう。

 国立社会保障・人口問題研究所の「出生動向基本調査」(10年)では、未婚者の9割近くが「いずれ結婚するつもり」と答える一方、25~34歳の独身者の結婚しない理由は「適当な相手に巡り合わない」「まだ必要性を感じない」「自由や気楽さを失いたくない」が上位を占めました。

 ただ、心配なのは男性の3割が「結婚資金が足りない」と経済的理由を挙げていることです。内閣府が実施した別の調査では、20~30代の男性が結婚しているかどうかは「年収300万円以上か未満か」「正規雇用か非正規か」ではっきり差がつきました。厳しい労働環境が結婚にも影響していることが分かります。

 ―結婚しない人が多いと、社会全体で困ることはありますか。

 生涯未婚率の上昇は、少子化の原因の一つといわれます。高齢者が増え医療や介護にお金がかかるのに、支え手となる現役世代が少なくなっており、多くの人が結婚して子どもを持つ方が社会保障は安定します。

 少子化が続く社会は、消費に積極的でなく経済が成長しない、地方の活力がなくなる、との指摘もあります。

 ―若い時は1人もいいけど、老後はね。

 その前にまず親の介護がありますよ。最近は介護のために仕事を辞め、やがて世帯全体が生活に困窮する「介護離職」が問題になっていますが、独身男性が介護離職し、親の年金で2人が暮らすケースも増えているといいます。

 老後を単身で暮らすことは、未婚・既婚にかかわらず普通にあります。介護保険でできることには限界があり、NPOなどによる新しい助け合いがますます重要になるでしょう。

 ―そもそも、男性ばかり「お金がないから結婚できない」と考える必要はないのでは。

 そうですね。1人では収入が少なくても、2人で働けば何とかなる。女性が相手に経済力を求める結婚観から脱し、企業が女性の働きやすい環境を整えれば、そこから変化の糸口が見えてくるかもしれません。

 新政権が「家族力」を重視するからには、上がり続ける生涯未婚率にどんな対策を打ち出すのか注目したいと思います。


 一口メモ 著書「ちょっと早めの老い支度」があるエッセイスト岸本葉子(きしもと・ようこ)さんの話 

 私はシングルで生きにくいと感じたことはありません。自分で働き自分で収入を管理する生き方が好きと思っています。
 
 ですが、不安はやはり老後。国民年金だけでは足りそうにない。独居世帯は家族の介護力はゼロですから、公的ケアと民間のサービスを自分で「買う」ほかない。20代からずっと税や社会保険料を払い続けても、こんなに老後を不安に思う社会って何なのでしょう。

 新政権は、共助や公助より自助を第一にするとのこと。それではいくら景気対策をしても、皆貯金するばかりで、お金は回らないのではと思ってしまいます。

 (共同通信)

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