2020年東京パラリンピック開幕まで25日で3年。競技者だけでなく、その活躍を支えるメーカーやボランティアなど〝伴走者〟たちも熱気を帯び始めている。

 「シルエットがきれいに見える」。試作中のスーツに袖を通したのは車いすで生活を送る池田歩さん(25)。オーダースーツメーカーの花菱縫製(さいたま市)が開発する車いす利用者の女性向けオーダースーツにアドバイスをしている。車いすに座ったままでも上着がだぶつかず、タイヤとこすれる部分を補強するなど工夫を凝らした一品だ。すでに製品化された男性用に続き、来年の販売を目指す。

 「スーツに限らず、暮らしの改善点はまだある。3年後をきっかけにバリアフリーの整備を」と池田さんは期待する。

 一方、競技のサポート役への意識も高まりをみせている。視覚障害者とランニングをする「伴走」もその一つ。都内で活動する「代々木公園・伴走伴歩クラブ」(略称・バンバンクラブ)では認知度が高まり近年参加者が急増した。

 創設者の沖本武さん(70)は「(視覚障害のランナーの)理想は健常者のように毎日練習できること。伴走者と巡り合う懸け橋になれれば」とクラブの意義を語った。

 また、競技用義足の開発をするXiborg社(東京都港区)では義肢装具士や選手らが一体となり東京パラリンピックの陸上100㍍で金メダルを目指している。

 拠点となるトラックの横には研究施設を構えた。新たな義足を試すことやアスリートの感覚に応じて調整することができる。同社代表取締役の遠藤謙氏(39)は「世界最速のランナーを出したい」と青写真を描く。

 障がいへの理解を深める契機にしたい―晴れ舞台の開幕へ期待が高まっている。携わる人々に共通する願いだ。(写真と文 伊藤暢希・共同通信写真映像記者)

*写真・記事の内容は、2017年8月23日までの取材を基にしたものです