新聞を活用して自分の考えを豊かに表現する力を育てる
高知市立江ノ口小学校 教諭 園山 和正
1 はじめに
さまざまな情報があふれる新聞から、自分の興味関心のある記事を選び、考えたことを伝え合う活動を行うことは、社会への関心を高めるとともに、情報を選択し、活用する能力を育成し、話すこと・書くことなどの表現力をも付けることができると考える。
2 NIEのねらい
本校では、「自分の考えを豊かに表現する力を育てる」という研究テーマのもと、主に国語科を中心とした研究に取り組んでいる。NIEの実践校としては3年目を終えようとしているが、今年度はやっとNIEを、学校の研究体制の中に組み込むことができ、実践の広がりを見せてきている。全校で、「新聞を活用する学習」そして「新聞をつくる学習」を実践し、子どもたちの「話す、聞く、書く、読む」力を育てようと取り組んでいる。 本校のNIEのねらいと全体の計画はこちらへ→
3 日常の取り組み(朝の会や総合的な学習の時間を使って)
① 新聞スクラップ |
② おはよう「タイムズ」 |
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③ 新聞切り抜き新聞 |
④ 朝読書の時間を使って |
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①新聞スクラップ
取り組みの概略
- 各自に丸ごと1日分の新聞を配布し、その中から自分の好きな記事を選ばせる。(週に一回程度、総合的な学習の 時間を利用して書き方や記事の選び方等を指導。慣れてきたら家庭学習として週末に取り組ませた。)
- マーカーで大事なところに線を引きながら読む。読めない漢字や分からない言葉は、①辞書で引く ②人に聞く③見当をつける(飛ばす)のいずれかで対処する。
- 内容の概略をつかんだら、自分なり の見出しを考える。
- 記事や見出しの位置と大きさ等を考え、全体のレイアウトを考えてから記事を貼る。(スケッチブックを使用)
- 必ず、月日、新聞名、自分で考えた見出しを書き、さらに記事の要約と自分の意見や感想を書かせる。教師や保護者からのコメントを付けることもある。
- できたスクラップ帳は教室の後ろに展示し、お互いに読みあう。
- ペア(となりどうし)で発表の練習をすることもある。


②朝のスピーチ活動
取り組みの概略
- 朝の会の中に「おはようタイムズ」というスピーチ活動を位置づけ、毎朝実施。
- その日の2名の日直がスピーチを担当し、選んだ記事についてスピーチメモを準備しスピーチを行う。記事の紹介とそれに対する意見や感想を必ず述べる。
- みんなに分かりやすい話し方を工夫させ、声の大きさやはっきり話すことなども気をつけさせる。
- 自分の発表に対する友達からの意見や感想を募り、考え方の違いや共感できることなどを共有しあう。
- 最後に担任のコメントを付けたし、良かった点を評価するとともに、毎日共通の話題で意見交流しながらスピーチを終え、一日をスタートさせる。
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③新聞切り抜き新聞
取り組みの概略
- 二人一組で数日分の新聞からテーマに沿った記事をいくつか探し、読み解く。(テーマの例 6月 四川大地震 9月 北京オリンピック など)
- 模造紙に全体のレイアウトを考えながら記事を貼り付ける。
- マーカー等で目立つように見出しを書き、記事についての意見や感想も書く。
- 最後に編集後記と称して、取り組んだ感想等を書いたり、罫線の工夫やカットを入れて仕上げる。
- できた新聞を紹介しあうスピーチを行い、感想や意見の交流を行う。
写真を見ると一段と恐ろしさが… |
二人で分かりやすく発表 |
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作品例 「四川大地震4日目」 |
作品例 「北京オリンピック 体操」 |
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④その他
子ども達が新聞に親しむために日常的に次のようなことも行っている。
- 朝読書の時間(月・水・金 8:30~8:40)を利用して新聞を読むこともあり。
- 教室の前面の壁にNIEコーナーを設けて、読んで欲しい新聞を掲示する。
- 週刊子どもニュース(NHK)を視聴し、世の中の動きを学ぶとともに、メモを取る練習と意見交流をする。
- コラムや投書欄、または自分の興味ある記事を読んで自分の意見や感想を書く。
4 国語科(5・6年生)の「話す・聞く」学習の中での新聞の活用
国語科教科書(東京書籍)との関連
詳しくはこちら へ→NIEの授業を、日常の学習活動の中でいったいどこに位置づけるのか、悩むところであるが、私は国語科の「話す・聞く」学習の中に位置づけ、スピーチするための材料を新聞記事から探し、それぞれの学習を展開していった。教科書から少し離れ、発展的に学習が展開できるので子ども達にも興味を持って取り組むことができたと思う。
5 授業の実際(指導案・ワークシート等)
授業実践例
Ⅰ 見出しを付けよう (5年 総合的な学習)
Ⅱ 選んだ記事を伝え合おう(5年 国語科)
Ⅲ 身近な生活について討論をしよう(5年 国語科)
Ⅳ 伝え合おう 私の意見(6年 国語科)
6 おわりに
「新聞って楽しい」「NIEの授業をまたやりたい」と、言ってくれることを何より大事に、この2年間取り組みをすすめてきた。小学生の子どもにとって、新聞はやはり難し く、それほど魅力的なものではないかもしれない。
だが、工夫次第で子ども達を引き付け、わくわく・いきいきするような授業を作ることも可能であることを実感してきた。
NIE大好きの6年生。 今年の運動会で「NIE競争」 |
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特に、自分が選んだ記事について伝え合う活動を継続していく中で、徐々に話し合いが活発にできるようになり、自分とは違ういろいろな感想や意見が出されることで、対話することの楽しさや、深めることの面白さにも気づき出したように思う。
このような活動を楽しく継続することでさらに「自分の考えを豊かに表現する力」を育てていきたいと思っている。
そして、新聞から「夢と希望」を感じる記事をたくさん見つけて、みんなで熱く語り合い、自分たちの明るい未来について展望が持てるようにしていきたい。卒業式で子ども達一人一人がどんな夢や希望を語ってくれるか、楽しみである。










